日置昌一氏との御対談 「アメリカを救う」は問題になる

日置氏 なお現在のこういう時代にいろんな新しい宗教に国民が魅力を感ずると言うことは、結局従来の日本の宗教に根本の魅力がなくなったということにあるでしょうし、又一つには国民が苦しんで淋しいのですね。

明主様 無論そうですね。

日置氏 ですから単にすべてを迷信邪教と片附けるのは間違っている。やはり本願寺も天理教も初めは随分いろんな法難に遭い、日蓮宗もそうですし、キリスト教もそうですからね。

明主様 宗教には法難はつきものですね。一番法難に遭ったのはキリストでしょう。命までやられたのですからね。ところがその教が一番世界に拡がったのです。ですから法難の酷いほど価値があるのです。

日置氏 人の心理というものは面白いもので、私の方でも、本が出て非難されると売れるのです。悪口言うと一種の広告になるのですね。それで印象に残るのですね。

明主様 チャタレーのアレを見ても分ります。私がこれから出そうと思っている本があるのですが、きっと問題になると思います。問題になったらしめたものです。屹度売れることになりますね。来月あたり出来ますが“アメリカを救う”という本です。

日置氏 なるほど、今度は逆ですね。

明主様 アメリカの病人は大変なものです。統計では現在医者にかかっている者が千七、八百万人いるのです。(全アメリカ人口の一割以上)それによってアメリカが一番困っている病気を、それは何の原因で、どうして治す、ということをすっかり書いて大統領始め有識階級、大病院、医者に配るつもりです。今飜訳してますが、日本文の方はもうすぐできます。

日置氏 人間というものは直接お会いしていろいろ話さなければ駄目なものですね。

明主様 百聞は一見に如かずですからね。

日置氏 そうですね。来て良かったですね。

明主様 私もあなた方指導者に知って貰うということが一番良いと思います。

日置氏 いや、いや、どうも……。

(昭和二十七年十二月十日)