日置昌一氏との御対談 キリストの奇蹟位は弟子がやる

日置氏 本日はかねがねメシヤ教について不思議に思っていることをいろいろおたずね致し度いと思います。先ず観音教をメシヤ教とお変えになられましたのはどういう理由でございましょうか。

明主様 私は世界人類を救うのが目的ですから、その名も世界的でなくてはならぬと常々思っていたからです。つまり観音教では東洋だけに限られているからです。それから私は「メシヤ」という名前が非常に好きなのです。しかし仮名の「メシヤ教」では誤解を受けてはいけないと思って、漢字の「救世」に仮名をつけたのです。愈々時期が来たと思って変えたのです。

日置氏 農村の方面にも食糧増産とかいろいろの事をなさって居られる様ですが、……尤もメシヤ(飯屋)教ですからね。(大笑)

明主様 兎に角、肥料を全然使わないでやると米の五割増産は何でもありません。その上、できたものがおいしくて大きく出来ます。根本は肥料を使わずに、土の性能を生かす事です。

近藤氏 荒地でもいいのですか。

明主様 つまり肥料をやるから荒地になるのです。酸性土壌も肥料の為です。肥料は丁度麻薬と同じです。麻薬を使うと一時気持がよくなるでしょう。それと同じで肥料やれば一時、三年や五年はいいのです。

近藤氏 肥料と麻薬を全面的に否定なさるわけですね。

明主様 そうです。

近藤氏 救世教の信者さん達は少しも薬を使はず病気を治しているのですか。

明主様 薬は全部毒だからです。毒で病気症状を抑えるのです。だから病気は薬が余計に入った程治りにくいのです。肺結核でも百人中九十三人までは治ってますが、残りの七人がいけないのです。というのはこの七人が一番薬を入れているのです。

日置氏 世間では何万人という中から、一人二人が間違った場合に大袈裟にいっていますが、医者の方はもっと殺してますからね。

明主様 それで心臓の手術が成功したとか、死人の目玉をくり抜いて移植して治ったという様なことは、われわれの方からいうと子供だましみたいなものです。あれは医学なるものを信じさせる為の慣用手段です。この間画家の吉井さんの四年間悪い目が五分で治ったということがありました。ですからキリストの奇蹟位のことは私の弟子が毎日やっています。

近藤氏 そうすると薬屋さんやお医者さんは救世教を商売仇に思うでしょう。そして大変困ってしまいますね。

明主様 ですから私はお医者さんは、どこにゆくかということを考えています。いずれ、世界的に薬屋や医者がなくなりますから、その救済事業は難問題ですね。

近藤氏 今御家族様は?

明主様 子供は六人あります。嫁に行ったり嫁を貰ったりして孫も数人できています。

近藤氏 貴方の宗教の方とは関係ないのですか。

明主様 関係しているのもあるし、関係していないのもあります。それも私は本人の希望にまかせています。

近藤氏 子供様方の御家庭では、病気の時等医者にかかると言うような事はありませんか。

明主様 絶対に医者にはゆきません。若し、薬を服んだら親子の縁を切るでしょう。

(昭和二十七年十二月十日)