為郷恒淳氏との御対談 「アメリカを救う」とは?

為郷氏 日光殿でお話を伺っていて感心したことは「アメリカを救ふ」といふ論文がありました。夫から美術関係のアレを伺って感じた事は非常に文章が達意といゝますか、我々新聞記者も、そう考えているのですが、非常にむつかしい言葉を使わないで思っている事をピタッと言ってそれで野卑に流れないといふ事が、よく表われていました。

明主様 兎に角私の説は恐ろしく飛躍的ですから聞きなれないと、ビックリしますが、実際に合って来ますからそれで判って来るのですが、結局高遠な真理を出来るだけ一般にわかりよく書くというのですから、書くのは中々やっかいです。それで私の目的といふものは世界人類を救ふのです。日本丈を救うのではないのです。アメリカを救うといふ事は、実に身の程知らないと思ふでせうが、私は世界人類を救うとしたら、一番勢力のあるアメリカを救うという事が一番効果的です。それから又、兎に角アメリカは宗教を根本としてそうして平和を維持するという点で、矢張り救わなければならない国です。どうも共産主義の方を救うといふ事は出来ません。彼の方は無神主義が根本で全然反対ですから、止むを得ません。それでアメリカは今、非常な病人で年々殖えてます。私は統計を見て驚いたのです。その統計もすっかり出します。

為郷氏 種類もそうなのでしょうか。

明主様 種類も段々多くなって来たのです。それで病気の原因と言うのは薬なのです。ですから薬の為に病気が起ると言う事は単なる物理化学の為です。そこで私が今かいているのは、理論心霊学とそれを裏附けているのが今病気を治している奇蹟です。

為郷氏 アメリカを救うといふ論文が出ますと、アメリカ人も相当救われますね。我々もアメリカ人とつき合っての経験ですが、ダメな奴はダメで、中々多いのですが好い奴はコツンと頭を叩いてやると、「アゝそうか」といって反省する--そういう点は、立派な所があります。

明主様 そういふ点がアメリカを発展させた重要な原因でせう。兎に角伝統にこだわらないで、好いものなら良い、日本人だろうが中国人だろうが、良いものは良いといふ非常に広い世界主義的なそれが矢張りいいのです。日本人にはそれが非常にないのです。矢張り島国根性でせうね。

大石氏 人が良くなると直ぐ攻撃しますからね。

(昭和二十七年十月二十二日)