為郷恒淳氏との御対談 一厘の神様のお仕組とは?

為郷氏 明主様之はどんなものでしょうか、大分前から疑問に思って居りました事ですが、真理とか、正しい教えとか言うものは、世の中には一つしかないのではないでしょうか。

明主様 無論そうです。真理と言うのは一つしかないのです。

為郷氏 そう致しますと昏迷して来る事になりますが、之が外国の様にキリスト教一本でありますと、宗教は楽なのですが……。

明主様 そうです。日本位多いのは無いでしょう。之は全く--それが日本の特徴なのです。其点を言いますと、兎に角日本は世界のあらゆるものを綜合して新しい文化を作るという使命があるのです。ですから日本には宗教でも他のあらゆるものでも一番数多くあります。それは芸術でも文学、美術、演芸でもさうですし、衣食住もそうです。といふのは、日本から綜合したものが出来るのです。ですから真理と言うのは全般にいくのです。共産主義とか資本主義と言うのは真理ではないのです。それが含まれ最高道徳によって律せられるものそれが真理です。そこで宗教も、日本には世界中の宗教が綜合された様なものが出来るに違いないのです。夫で真の文化と言うのは宗教が中心です。宗教から哲学、科学となっているのです。ですからアメリカの文化は結局キリスト教が中心です。最初ピューリタンがアメリカに渡ってそうして開拓したのです。そうして宗教が中心なるが故にアメリカの文化というものは世界中に非常に共通性があると言いますか…それに対して共産主義というものが頻りにやってますがあれも必要なのです。あれも手伝って矢張り本当のものが生れます。そうして神様と言うのは結局善悪両方を作って、それを闘はせて本当に良いものを生んでいくのです。今迄は、唯物文化が発展する時代だったので、唯物文化が善悪の争いに依って生まれたのです。原子科学も飛行機でもそうです。ですから悪も必要だったのです。此の見方と言うのは主神の見方です。主神は善悪両方共造ったのです。処が今迄の宗教というのは善の方の神様丈なのです。それで善の方の神様丈では物質文化は出来ないのです。発達しないのです。処がそういう行り方は無限ではないのです。或る時があるのです。というのは余り物質文化が発達した為にそれを悪が利用して、人類を滅亡させる様な時代に段々なってゆくのです。そうでしょう、原子爆弾を悪が使ったら人類は滅亡して了います。それで此の辺りで悪を止めると言う時が来るのです。それは独り戦争ばかりではありません。所有る面がそうなるのです。それで私の方で九分九厘と一厘と言う事を言いますが、九分九厘迄悪が勝つのですが、一厘で掌を引繰返すと言う事ですが、つまり一厘の力です。一厘の力と言うのは物質面の力ではないので見えざる霊的の力です。此の力で悪を押返して今後は善の方が多くなるのです。それで悪は全然無くなると言う事はないがつまり善の方が勝つのです。そういう時期と言うものは今なのです。それでキリストが言った「世の終り」とか「最後の審判」とか言うのは今迄の悪が勝っていた世が終るということです。それを今私はすっかり書いているのです。之は文明の創造という本です。それを世界中へ配るのは勿論、ノーベル賞審査会にも出します。各国の著名人にも読ませて批判をさせようと思っています。

(昭和二十七年十月二十二日)