レモン・カルティユ氏夫妻と御対談 私の目的は地上天国の建設

カ氏「お忙しい処を態々御出下さいまして非常に恐縮で御座います。御会いして色々承って少しは自分達も良くなるだろうと希望を持って居ります。それで殊に悲しいのは直接にお話出来ない事です」

明主様「そうです-何時か新聞にフランスの方で、日本美術を非常に研究しているという事が出てましたが、此方は…」

田付女史「此方はフランスで一番大きな雑誌の主筆で東南アジアとか-世界中を廻って戦後の視察をして参り、日本を最後に終えて帰られる事になっています。美術という事では非常に興味を持って居られます」

カ氏「国際情勢とか何ういう国で何ういう事が起ったかという事を目で見てそれを紹介したい。殊に日本は変っているので-特に印度で『日本は宗教的に変った』という事を聞いて居ります」

明主様「私の目的を一応お話しし度いと思います。私は天然の美と人工の美をタイアップさせた。一つの理想的な芸術品を造る目的でやっているんです、美術ばかりでなく-美術は人工の美です。人間がやるものですね。あとは天然の美ですね。で箱根で一番景色の良い中央に、見られる通りの庭園を造ったんです。之が小規模な地上天国です。地上天国とは芸術郷-そういったものです」

カ氏「美術館は未だ拝見しませんが、自然の美という事に於ては、私は此様な美しいものを見た事がありません」

明主様「つまり、私は宗教家ですが、今迄の難行苦行や、苦しみに依って救うのでなくて、反対に楽しみに依って救おうという、そういう意味に於て宗教に芸術は最も必要だという考え方です」

(昭和二十七年七月九日)