ひょう疽(ヒョウソ)と脱疽

此二種の病気は、殆んど同じ様な症状ですが、 疽(ヒョウソ)は手の指に限られてゐる様ですが、脱疽は手足の指又はそれ以上に進むので、医療では患部を切断して病気の進行を防止するのであります。
原因は非常な悪性の毒素が浄化作用に由って集溜するものであります。
本療法によれば、 疽(ヒョウソ)一、二週間、脱疽は軽症で二週間位、重症で、一、二ケ月位で全治するのであります。(岡田先生療病術講義録 昭和十一年七月)

 疽(ヒョウソ)

此病気は手の指頭に発生する腫物であるが、之は特に激痛堪え難きものである。一見指頭が腐敗する如き症状を呈するのであるが、決して腐敗する如き事はないのである。原因は強毒素(主に薬毒)の浄化作用であるから、自然療法による時充分腫れて穿孔され、膿汁排泄されて治癒するのである。然し、医療は指頭より、漸次腐敗すると称して、患部を切除又は指頭を切断するのである。然し、氷冷又は薬剤塗布等によって、浄化作用を停止する時は難治となるから注意すべきである。(医学試稿 昭和十四年)

脱疽

これは 疽(ヒョウソ)と酷似せる病気にて、ただ異る所は足の指である。症状も 疽(ヒョウソ)と殆んど同じであるが、医療によって指を切断するけれ共、後に至って他の指に発生し、又切断し、数本に及ぶ事さへある。之は一定量の毒素が、一本の指に集溜し、穿孔排泄されんとする時、集溜半ばにして切断する故、残存せる毒素が他の指を求めて排泄せんとする為である。悪性と医療の誤りの為、足首から切断の止むなきに到る事さへある。稀には膝関節又は股関節から切断する場合さへあるのである。(医学試稿 昭和十四年)