脱腸

此病気は、腸の一部が下腹部の最下端、左右孰れかに下垂し突起するので、其部を指査すればよく判明するのであります。重症は陰嚢に迄突入するから相当膨脹するのであります。

原因は、勿論腸の弱体に因る弛緩でありますから、腸の活動を促すに於て治癒するのであります。治療は腸全体を行ふので、軽症は二、三回、重症で一、二ケ月、最も重症は五、六ケ月を要します。軽症は成人するに従ひ、自然に治癒するものであります。

手術によれば治癒しますが、腸が短縮する結果腸全体がそれだけ衰弱する様であります。腸全体の衰弱は健康をそれだけ減損する訳でありますから、理想としては、手術でなく治癒させるべきであると思ふのであります。

〔浄霊箇所〕
腸全体

(岡田先生療病術講義録 昭和十一年七月)