よく不姙娠の場合、子宮後屈とか前屈とかいって手術を勧めるが、成程之は子宮の位置が不良となり、子宮口が外れるので、姙娠不能となるのは、医学でいふ通りである。では前後屈の原因は何かといふと、毒素溜結が子宮の前か後からか圧迫する為で、医学は手術によって其毒素を除り、一時は正常な位置に復すが、日を経るに従ひ再び毒素が溜結、元通りになるので、一時的効果としたら、大袈裟な手術迄するのは、ツマラヌ話である。
今一つ考へて貰ひたい事は、よく医学の診断で、後屈の為姙娠不能と云はれた者が、手術もせず其儘にしておいて、姙娠した例もよく聞くのである。以前私は大学病院でそういはれた婦人が、其後三人の子を生んだといふ事を本人から聞いたのであるが、之なども医学の研究がまだ不充分であるからで、多くの人に迷惑をかける以上、充分確信を得る迄は、言はない方が良心的だと思うのである。
症状としては、腰部及び下腹部の不快感等である。原因は、子宮の裏面の部に水膿が溜結し、それが為に牽引され、又は下腹部の水膿溜結に圧迫されて子宮の位置が変化するのである。故に、腰痛や不快感は後屈のためではなく、水膿溜結の方が直接原因である。而て、本療法によってそれを溶解すれば、容易に全治する。一週間乃至三週間位でよく、施術は、腰部特に尾骨の附近を指圧して痛む所と、下腹部を指圧して痛み或は凝結のある所を行へばいいのである。
〔浄霊箇所〕
腰部特に尾骨の附近を指圧して痛む所、下腹部を指圧して痛み或は凝結のある所
子宮後屈(岡田先生療病術講義録 昭和十一年七月)
婦人病(文明の創造 昭和二十七年)