魂、心、精霊

元来、人間なるものは「神性と獣性」両方面を具備してゐるもので、向上すれば、「神」となり、堕落すれば「獣」となるのであります。そして、神に祀られる人は、行い正しく生ながら神性になった人であります。例へば、人間の善悪の行為であります。酒を飲みたいとか、女を買ひたいとか、金を儲けたいといふものは皆「獣性の表れ」であります。之は、常にいふ処の狐狸、蛇、天狗、鳥類等の動物霊でこれが、精霊内にあって、人間の心を専有しよふとしてゐるのであります。然るに「神から与へられた良心」即ち「魂」の方は、それと反対で「心を良性に導かふ」と、絶えず働きかけてゐるのであります。

それが、本治療を受けるとすると、酒が嫌ひになり、争などは嫌になるんであります。何となれば霊光によって、邪霊は畏縮するからであります。それが為、魂即ち「良心の力」が増して「邪霊」即ち「獣性」を制へる事が出来るやうになりますから、立派な人間になるのであります。然し、獣性と雖も、人間生活に於て必要があるから、神から与へられてゐるのであります。唯如何なる場合と雖も獣性より神性の方が勝てばいいのであります。

神性と獣性(岡田先生療病術講義録 昭和十一年七月)