祝詞

掛巻も、綾に尊くいと高き、五六七大御神の御前に、謹しみ敬(イヤマ)ひも白すらく、昭和二(フタ)廻り五歳(イツトセ)の、秋の佳(ヨ)き日の足(タ)る日を、選(エラ)み定めて予てより、深き経綸(シグミ)の大御心に、天国此土に写しまさんと、その雛型(ヒナガタ)を畏くも、吾等が教えの師と仰ぐ、明主の君に任しまし、信徒(マメヒト)達は惟神(カムナガラ)、誠心を照し合ひ、只ひたぶるに奮ひ立ち、七つの歳を雨の日や、風吹く日さえ撓(タユ)まなく、力の限り身の限り、励みし甲斐も有難く、漸く茲に七り成りし、神の御苑(ミソノ)の美(ウマ)しさよ、実(ゲ)にも真善美の姿、具はりませる崇高(ケダカ)さは、紫微天宮もかくもやと、偲ぶるばかりの神の技(ワザ)、讃(ホ)めそやさんも愚なれ、今はまだ、いと小(ササ)やかな神仙の、郷(サト)にしあれど時満(ミ)てば、洲(シマ)の八十(ヤソ)島八十の国、津々浦々の涯までも、地上天国の珍(ウズ)の苑、世に知れ亘(ワタ)りなば誰も彼も、引きもきらざに参来(マイキ)こん、やがてミロクの世となれば、青人草達の悉(コトゴト)は、神の御(ミ)徳(ノリ)を賞め称(タタ)へ、人を敬(イヤマ)ひ、睦(ムツ)まじく、病(イタツキ)争(イサカ)ひ貧(マズ)しさも、過(スギ)こし方の夢と消へ、心安けき永遠(トコトワ)の、平和の御代となりぬらむ、其礎(イシズエ)をいと高き、名だたる箱根の頂(イタダ)きに、神の選みし地を浄め、下津(シタツ)磐根(イワネ)に宮柱、太敷樹てて新しき、木の香も清(スガ)し日光殿に、所狭(セ)きまで信徒が、集(ツド)ひ歓(エラ)ぎて此世ながらの天国の、その魁(サキガケ)と芽出度も、祝ふ今日此日がら、大御祭の嬉しさよ、神の勲(イサオ)し高々と、賞め讃えます言霊は、天にも響き地の果にまでも届かん勇しさ、幾千代かけて永久(トコシエ)に、大御恵を彌深く、蒙らせ給へ座(マシマ)せと、鹿児自物(カゴジモノ)膝折伏(ヒザオリフ)せ、恭(ウヤウヤ)しく慎しみ敬(イヤマ)ひ願(ネ)ぎ白す

日月地大御神守給幸倍給
惟神霊幸倍座世
惟神霊幸倍座世

(栄光七十二号 昭和二十五年十月四日)