寸鉄活人 (栄光百三十九号)

愈々昭和廿七年の元旦だ、今年こそウントやるぞ、腕にヨリをかけてやるぞ、誰にも負けないようにやるぞ、何をだ

ウン、パチンコだ

あゝ恋しい、恋しくてしようがないワ、アチラは遠いので汽車賃がかゝるけど、どうしようかしら、お母さんお小遣呉れない、母曰く『お前はまだ嫁入り前じゃないか、それだのに親に対って、よくもそんな白々しい事が言えたもんだね』娘『ダッテ、お母さん、私行きたくて我慢が出来ないんですもの』母『一体、相手は誰なの、名前を仰言い』娘『じゃ言いましょうか、実は、ソノー、ソーラ、ホ丶丶丶丶、神様なのよ』

今年は巧くやるぞ

ウンと智慧を絞ってやるんだから、成功請合だ、何だって、知れた事よ、素晴しい金儲けなんだ

そんなに羨しけりゃ貴様もやるか、やるんなら教えてやろうか、何だと、声が小さくて聞えないと

じゃーハッキリ言うぞいいか

アレだよ、ソレ、ソノー袖の下のムニャムニャムニャ

(栄光百三十九号 昭和二十七年一月十六日)