愈々昭和廿七年の元旦だ、今年こそウントやるぞ、腕にヨリをかけてやるぞ、誰にも負けないようにやるぞ、何をだ
ウン、パチンコだ
あゝ恋しい、恋しくてしようがないワ、アチラは遠いので汽車賃がかゝるけど、どうしようかしら、お母さんお小遣呉れない、母曰く『お前はまだ嫁入り前じゃないか、それだのに親に対って、よくもそんな白々しい事が言えたもんだね』娘『ダッテ、お母さん、私行きたくて我慢が出来ないんですもの』母『一体、相手は誰なの、名前を仰言い』娘『じゃ言いましょうか、実は、ソノー、ソーラ、ホ丶丶丶丶、神様なのよ』
今年は巧くやるぞ
ウンと智慧を絞ってやるんだから、成功請合だ、何だって、知れた事よ、素晴しい金儲けなんだ
そんなに羨しけりゃ貴様もやるか、やるんなら教えてやろうか、何だと、声が小さくて聞えないと
じゃーハッキリ言うぞいいか
アレだよ、ソレ、ソノー袖の下のムニャムニャムニャ
(栄光百三十九号 昭和二十七年一月十六日)