寸鉄活人 (栄光百四十二号)

流石のストリップも、此頃は大分下火になったそうだが之はどういふ訳か知っているか

教えてやろうか、つまり冬が来て寒くなったからなんだ

今の人間は、学校の門を出てから社会の門を潜り、役所の門を潜り、それから待合の門を潜ってからが大変だ

愈々法律門を潜り、監獄の門を潜って愈々相場ガタ落ち、その中で気の利いた奴だけが、信仰の門を潜り、天国の門を潜り、有難い幸福の門を潜って、茲に芽出度し芽出度し、之が映画人生劇場の巻、終り

(栄光百四十二号 昭和二十七年二月六日)