寸鉄活人 (栄光百三十六号)

昔の諺にある立てば芍薬(シャクヤク)、座れば牡丹、歩く姿は百合の花というのをもじって、近頃は立てばパチンコ、座れば麻雀、歩く姿は競輪行というのが出来たそうだが、今度拙者は斯ういうのを作った

それは立てば窓口、座れば待合、歩く姿は御役人というのだ

面白いだろう

昔は収賄を袖の下と言ったが、今のように洋服ではチト具合が悪いね

じゃー何と言ったらよかろうか

いっそハイカラに内ポケットと言ったら、どうじゃろう

今政府は行政整理に一生懸命だが、僕は次の整理をして貰いたいね

曰く医学迷信整理、肥料迷信整理、法律迷信整理、競輪整理、パチンコ整理、麻雀整理、闇の女整理、警察官の拷問整理、女房の焼餅整理、オット之は間違い、亭主野郎の○○整理、役人の待合入整理、自動車四万台の整理、何も彼も整理々々で、清々してから建つのが、晴々台上のメシヤ会館で御座るよ。

(栄光百三十六号 昭和二十六年十二月二十六日)