寸鉄活人 (栄光百十三号)

追放解除になったので、御連中嬉しくてゾクゾク、手の舞、足の踏む処を知らずという有様、之は人間界の事だからいいようなものの、神様の方の追放解除は仲々大変なもんだが、神霊司令部へ行って、よくお願いすれば赦してくれない事もないが、神霊司令部とは外でもない、メシヤ教なんだよ、だが一寸御注意したい事は、人間界と異って、神様の方は、いくら贈賄しても犯罪にはならないんだから、安心してドシドシ賄賂を使い給え、処で拙者は収賄係だから、拙者の処迄現生(ゲンナマ)を届ければそれでよろしいんだ、分ったか

拙者は大変な道楽者なんだよ、だが世間の道楽とは、チト異うから間違えては困るがね、曰く第一は金道楽なんだ、というと目を丸くするだろうが、其使い途だよ、つまり地上天国を造る為なんだ、次は女を喜ばす道楽、というと怪しくりからんと目をむくだろうがマァー待ち給え、之は結核などで真ッ蒼で骸骨のようになっている女共を、美しく太らしてやるんだよ、今一つの道楽は野郎共の頭をガーンとブン殴ってやるんだが、それは唯物科学でカチカチになっている石頭を、軟かくホゴしてやるんだ、ドージャいい道楽だろう

(栄光百十三号 昭和二十六年七月十八日)