寸鉄 (光新聞三十八号)

要領を得ないで要領を得る人と、要領を得たようで要領を得ない人がある、フラフラしてゐてしっかりし、しっかりしてゐてフラフラ野郎もある、とは変な世の中だよ

読売君よ、毎度本教の悪口御苦労様、無料ではお気の毒だから何れ広告料を出しませんよ

大新聞がいくら口惜しがっても、小新聞、光には歯が立たないです、アクマの御守護と、神様の御守護とは一寸違ひますからなあ

大新聞から目の仇にされてもビクともしない、とは本教も偉くなったもんだよ

大なる邪悪と小なる正義との戦ひ、興味津々たるものがある、邪悪の力は如何に大なりと雖も恐るるに足らず、何となれば屁の河童であればなり

哀れなるかな読売紙よ、汝は汝の力を以て汝を没落の運命に落せばなり(馬鹿伝第二章より)

虫ケラを、忽ち人間に進化させる吾々の事業を見て、彼の世のダーウィン曰く「こりゃ大変だ、俺の進化論は書換えなくてはならない」

読売新聞は、随分沢山提燈がしまってあるんだね、社員は提燈もちで飯を食ってゐるんだから

大なる小新聞としての読売紙、小なる大新聞としての光新聞とはどうじゃ

紙数の多いのを大新聞とすれば、大新聞と小新聞と違ふのは、量の問題だね、つまり紙屑で売る時の値段の違いなんだ

(光新聞三十八号 昭和二十四年十二月三日)