著述編

自観叢書

自然無視の文化

今日、日本に於ける文化が進歩しつつあるに拘わらず、或面には種々の行詰りが生じ、予期の如くにゆかないのは何故であろうか。私の見る処によれば、その根本に一大誤謬のある事で、世間はあまりそれに気がつかないようである。例えば政治の面であるが、どうも...
自観叢書

日と月

宗教上より見たる日と月に就て説明してみるが、之は甚だ神秘幽玄にして、コジツケとみらるる節なきに非ず、然し之は真理である以上、心を潜めて判読されたいのである。日本古代に三種の神器がある。之は璽(タマ)、剣(ツルギ)、鏡という事になっているが...
自観叢書

学問のズレ

一口に学問と言うが、学問にも生きた学問と死んだ学問とがある。というと可笑しな話であるが、判り易くいえば、学問の為の学問は死であり、学問を実社会に活用するのが生きた学問である。然し真理探究の為の学問は又別で、之は貴重なものである。先づ学問とは...
自観叢書

神秘の扉は開かれたり

私が解く処の多くの説は、その殆んどが前人未踏のものばかりといってもよかろう。之に就て、良い意味の疑念を起す人が数多くあろうと思うから、その訳を簡単にかいてみる。私は常に地上天国建設を唱えているが、之は私が考え出したのではない。天の時到って神...
自観叢書

大乗宗教

宗教、特に仏教に、大乗、小乗の区別のあるのは遍く人の知る所であるが、どうも今日迄、徹底されない恨みがあったようである。之に就て私の見解を述べてみよう。抑々大乗とは大自然という意味である。大自然とは、万有一切の生成化育のあり方をいう事は勿論で...
自観叢書

本教と大道主義

今日世の中を見ると、ヤレ左翼だとか、ヤレ右翼だとか、否俺の方は左派でも右派でもない、中道だとか言って騒いでいるが、どうも或限られたる主義や思想を飽迄固持し、それを貫こうとする結果、どうしても摩擦が生じ易い。尤も中には摩擦や争いを目的とするも...
自観叢書

超宗教

本教のモットーとする、病貧争絶無の世界、地上天国建設などという事は、先づ大抵の人は痴人の夢としか受取れないであろう。成程キリストは、『天国は近づけり』といったが、天国を造るとは言わなかった、釈尊は、『仏滅後彌勒の世が出現する。』とは言ったが...
自観叢書

五六七世界の建設

吾等が唱える五六七世界の実相は目下執筆中で、何れ発表するつもりであるが、茲では五六七世界建設までの過程に就て些か述べようとするのである。勿論、五六七世界とはキリストの予言した天国であり、釈迦の唱えた所謂みろくの世である。然るに此理想世界たる...
自観叢書

主の字

私は常に、順序を正しくせよと言うが、此順序をタッタ一字で表わしたのが、「主」の字である。今此主の字を解剖してみよう。上中下の横棒三本は天地人、日月地、五六七、神幽現という意味で、それを経の棒が貫き、一番上にゝが乗っている、之が正しい順序で、...
自観叢書

観音力とは何ぞや

昔から、妙智力又は観音力というが、勿論妙智力は観音力と同意味である。世に阿彌陀力とか、釈迦力、達磨力などいう言葉がなく、ただ観世音菩薩だけがその力を唱えたという事は、不思議であると共に、理由がなくてはならない筈である。之に就て、文献もなけれ...