主なる病気(一) 脳疾患

之から主なる病気に就いてかいてみるが、近頃よく云はれるのは、若い者は肺病、年取った者は脳溢血と相場が決ってゐるやうだが、全くその通りであって、結核の方はかいたから、今度は脳溢血に就いて詳しくかいてみよう。抑々此病気は男女共壮年から老年にかけてのもので、人も知る如く発病するや頭脳朦朧、呂律が廻らず、重いのになると目まで冒されるが、此病気は半身不随に決ってゐるのである。之にも非常に重い軽いがあって、重いのになると手や指の節々まで硬直して自由が利かなくなり、足も歩けず、足首がブランとして着けなくなる。そうして先づ此病気の原因であるが、之は右か左の淋巴腺部に相当若い頃から固結(濁血の固まり)が出来、或程度に達するや、突如として浄化発生し、之が溶けて頭脳に向って溢血する。溢血するや忽ち反対側の方へ流下し、手足の関節部に固るので、その速さは数秒位であるから、アッといふ間もなく、実に恐ろしい病気である。その際濁血は脳内にも残り、それが脳的障碍を起すのである。

此病気も発病後何等手当もせず、自然に放っておけば、緩慢なる自然浄化によって十中八、九は全快するが、それを知らない為、慌てて医療を始め種々の手当を施すので、其為不治となったり、生命を失ふ事になるのである。言う迄もなく凡ゆる療法は固め方法であり、暫くの間は小康を得られるが、何れは必ず再発するのは衆知の通りである。それに引換え浄霊は溶かす方法であるから、早ければ一、二週間位、遅くも二、三ケ月位で快くなるが、医療を受けた場合は、二回目は数ケ月、三回目は数年位で治るのである。併し今までは浄霊を知る人は少ないから、色々な固め療法を施す結果、浄霊でもそれだけ時日がかかるので、つまり固った度合によって治るのに遅い速いがある訳である。

そうして此病気は重症になると一回目で死ぬ人も往々あるが、軽症は一旦小康を得ても暫くしてから二回、三回と起る事になるのが殆んどで、そうなったら先づ助からないと思っていい。処が医学では一回目の発病後少し快くなると、二回目の発病を恐れて極力身体を動かさないやうにし、食餌も非常に減らすが、之は弱らす為であって、弱る程浄化が起らないからである。そのやうにしてどうやら命だけ繋いでゐる人も世間には随分あるやうで、之なども医学の無力を表白してゐる以外の何物でもないのである。右は普通の脳溢血であるが、稀には逆中風というのがある。(之は私が付けた病名である)それは脳に向って溢血しないで、逆に下降する為、脳には異状はないが、片方の手足が不随となる症状である。然し之は割合治りいいものであるが、医師は此病原は全然分らないとみえて、不得要領の説明でお茶を濁してゐるやうである。然し之なども放っておけば、割合順調に治るものである。

次に脳膜炎であるが、之は子供に多い病気で、症状は高熱と前頭部の激痛と、眩くて目が開けられないのが特徴であって、此事を知ってゐれば素人でも診断はつく筈である。勿論浄霊によれば一週間位で全治すると共に、よく曰はれる予後白痴、不具などには絶対ならないばかりか、寧ろ病気前より頭がよくなり、児童など学校の成績も丸で異ってくる。此理由は医療は毒素を固める為脳の活動を阻害するが、浄霊は溶かして出して了ふからである。又脳溢血に似たものに脳卒中といふのがある。之は突発的であって、発病するや数秒又は数分で死ぬといふ最も恐るべき病気で、昔ハヤウチカタルといったのが之である。原因は首の周囲の凝り即ち固結毒素が或程度を越えると血管が強圧され、送血が急に停まり、アッといふ間に彼の世往となるのである。従ってその固結を溶かして了へば安心だが、それが不可能である為恐ろしがられたのである。処が幸ひなる哉、此浄霊法が現はれた以上、最早簡単に予防出来る事になったのである。

次に近来流行の日本脳炎であるが、之は五才以上十才位迄の子供に多い病気で、医学では蚊の媒介が原因としてゐるが、之は間違ひであって、本当は夏日炎天下に頭を晒す為、その刺戟によって首、肩、背部一面にある毒素は、忽ち頭脳目掛けて集注する。その際延髄部を見れば、棒の如き固結があるからよく分る。故に浄霊の場合之を溶かすのを専一とするが、後から後から集注して来るので、随分根気よく行らねばならないが、普通数時間乃至十数時間で、大抵は好転し始めるものである。その際溶けた液体毒素は頭脳を突き抜け、目や鼻から多量の血膿となって出るが、之も出るだけ出れば全治するのであるから、割合簡単で、今迄の経験上命に関はる事など殆んどないのである。之も脳膜炎と同様、予後は頭脳明晰となり、不具には決してならないから安心して可なりである。又之に似た病気に脳脊髄膜炎がある。之も発病するや延髄部に棒状な固りが出来、首の運動が不能となって、作りつけの人形のやうになるからよく分る。つまり此病気は日本脳炎の手前と思えばいい。之も浄霊によれば簡単に治るが、医療では固める結果反って重症となり、生命の危険にまで及ぶのである。

右の外慢性頭痛、頭重、眩暈、朦朧感、圧迫感等の症状もあるが、之にも二種ある。脳貧血と其反対である頭脳の微熱であって、之は触れば前者は冷たく、後者は熱いから直ぐ分るし、どちらも嘔吐感を伴ふ事がよくある。勿論原因は首の周りの固りが、脳の血管を圧迫するのが脳貧血であり、浄化熱が別の方である。此様に浄化にも固るのと溶けるのとの両方あるから、之は充分知ってをく必要がある。そうして今日多い神経衰弱も右のどちらかであって、之も放っておけば徐々として治るが、薬その他の方法で固めやうとするから、逆効果となって病気は益々昂進し、堪へられぬ苦痛の為、社会的に惜しい人でも自殺をする人が往々あるので、之等の人々は医療の被害者といってもいいのである。

(医学革命の書 昭和二十八年)