〔肺病について〕

【肺結核】
o先づ、肺結核の初期から述べてみる。之は感冒の時に述べた如く、感冒の浄化作用、何回もの停止によって溜結せる毒素が青年期の活力旺盛時代に入り、防止不可能になって解熱法も効果ないといふ状態である。この時は殆んどが肩部(特に左肩)頸部の下辺に溜結せる毒素の浄化作用としての微熱である。
o療法として絶対安静、栄養食、注射、服薬、頭冷、湿布等であるが、之等は何れも浄化作用停止法であって、安静は胃腸を弱らせ、服薬、注射、頭冷、湿布等は何れも漸進的衰弱をなさしめるので熱は下降し、熱が下降するから毒血が溶解しないから喀痰は減少する。喀痰が減少するから、そのポンプ作用である咳嗽が減少する。一見病気が軽快に向ふやうにみえる。
o其際患者が安静を破って運動すると発熱する。それは運動によって活力が出るから、浄化作用がおこるからである。
o斯様な状態で幾月も幾年も持続する内、追加物たる薬毒の浄化作用が起るのであるが、此薬物浄化は高熱を伴ふものである。長い安静によって相当衰弱せる患者が高熱に遇っては、その衰弱は非常な速度を増し、終に死に到らしむるのである。此末期に於て、薬毒集溜個所は全身に及び、特に肋骨、胃腸、腹膜部、咽喉部、腎臓部、頭部、股間淋巴腺等である。
〔浄霊箇所〕
脳天、延髄、首、咽喉、頸部淋巴腺、肩、脇の下、腎臓、背中、鼠蹊部、陰部。

【肋膜炎】
o肋膜炎は、医学でも言はれる如く、肺を包んでゐる膜と膜との間に水が溜るので、之が湿性肋膜炎と言ひ、膿が溜るのを化膿性肋膜炎と言ひ、何も溜らないのに膜と膜との間に間隙を生じ、触れ合って痛むのを乾性肋膜炎と言ふのである。湿性の原因は勿論胸を強打したり、器械体操の如き手を挙げて、力を入れる等が原因となって発るのであるが、何の原因もなく偶然発る事もある。此病気である膜と膜との間隙に溜る水とは勿論尿である。o湿性は最初高熱と胸の痛みで、深い呼吸をする程余計痛むが、反って水が多く溜ると無痛となるもので、之は膜の触れ合ひがなくなるからである。又尿の出も悪くなるのは勿論で、此病気の特異性は、眠い事と盗汗であるが、此盗汗は非常によいので、之は溜った水が皮膚を透して出るのである。
o化膿性は膿が肺に浸潤して痰となって出るのである。
〔浄霊箇所〕
肩、背面腎臓部、肋膜部

【喘息】
o医学でもいふ如く、喘息は大体二種ある。気管支性と心臓性(近来此方はアレルギー性といふ)とである。
o先づ心臓性からかいてみるが、之は最初横隔膜の外部に、薬毒が固結するのである。それに浄化が起るや微熱によって溶解、液体状となり、肺へ浸潤して喀痰となって出ようとするが、此場合横隔膜部は肺臓から距離があるので、液体の方から浸潤する事が出来ない為と、肋間に毒結のある場合浄化によって液体となったが、人により肺膜の厚い場合容易に浸潤し難いので、肺の方から最大限に拡がり吸引しようとする。
oそのやうに大体右の二つの原因であるといふ訳は、肺は其様な猛烈な運動の為、肝腎な空気を吸ふ力が減殺されて、窒息状態となるのである。何よりも其際、肺に侵入した毒液が、咳と共に痰になって出ると、発作は一時楽になるといふ事や、又肺炎に罹ると一時快くなると言はれるが、之は高熱の為固結が溶解され、痰になって出るからである。
o右の理が間違ってゐない事は、何よりも先づ心臓性喘息者の横隔膜部には、必ず固結を見る事である。
o次に、気管支性喘息であるが、之は肋骨附近に固結してゐる毒素が、浄化によって、少しづつ溶けるので、それをヤハリ肺の方から吸引しようとして肺臓は猛烈なポンプ作用を起す、それが咳であるから、之によって痰が排泄され、一時快くなるのである。然し痰の量が多く出れば出る程、短期間に治るのである。
〔浄霊箇所〕
肩(主に左)、頸部、顎の下、横隔膜の下辺、鳩尾の両側、背部、背面心臓部、胸部、脇下、臍部の周囲、腎臓