序文

著者須江孝雄氏は信者に非ずして信者なりという立場の人である。その須江氏が私を客観的にみての批判である処に反って面白いと思ふのである。而も宗教的方面に於る氏の該博なる知識と、それに加えて隠れたる第三者的立場にある某有力なる宗教学者の援助もあって成った本原稿で之を見せられた私は、一読わが意を得たので、自観叢書中の第十三篇に編入する事となったのである。

文中、私の神秘力を協調し、第三者から見れば誇大とさえ思はるる節もないではないが、私としてみればよく肯綮にあたってをり、些かも真相に外れた点のない事を確認するのである。

(自観叢書十三 昭和二十四年十二月五日)