療術行為届 施術方法

先づ、被術者の患部に向って手指又は掌を触れぬ程度に宛て震動の形式をなす。而して病患に対する解釈は次の如し。

元来、病患とは人体不断の浄化作用によってそれぞれの局所へ毒素集溜固結する。その毒結に対し溶解排除作用が起る。その為の発熱、不快感、痛苦等をいふのである。従而、右毒結の溶解と排除作用を促進する事を以て、治病の要諦となすのである。

人体は物質のみに非ず霊が在り、霊と体との密合によって生命があるのであるが故に、肉体に毒素のある場合、霊体にもそのままの曇があるものである。故に、その曇を解消するや、霊主体従の法則によって、肉体の毒素は解消又は軽減排除するのである。

右の理によって霊体の曇を解消する方法こそ治病の根本であらねばならない。然るに、人間には生れながらに一種の霊光又は霊波ともいふべきものを保有されゐるので、右の霊波を手指に集注し放射せしむるのである。此方法によって熟練するに従ひ、驚くべき治病力を発揮するので、体験者の殆んどが異口同音に称讃する所であり、拙者門弟等の門前市を成す実情によってみても明かである。

名称を日本式療法と附した理由は、西洋医学に於ては、肉体のみを対象として進歩発達したるに反し、本療法に於ては、前述の如く霊体を対象とする。即ち前者は唯物的療法であるに対し、後者は唯心的療法であり、且つ日本に於て日本人によって創成されたるを以て、右の名称を適当と思惟したるに由る。

(昭和十六年)