或質問者への応答

或日、信者の中の幹部級の者が「伺いたい事がある」と言って来た。早速私は遇った処、彼の質問事項は「某に対し、某の噂が間違っている、それを某が語ったので、その誤解を解きたい」と言うのである。それに対し私は斯う答えた。

私「私は今、世界人類救済の大業の為、極度に時間を有意義に利用している。従而君の問題が人類救済にどれだけの関係があるか、それを話しなさい」と言ったら、彼は吃驚仰天三拝九拝して匆々(ソウソウ)辞去した。

右のような笑えない喜劇がよくあるのである。愈々最後の世は迫りつつあり、神様は一人でも多く救はせられようとして私を通じて大慈悲的活動を垂れつつあるに拘はらず、個人的の利害や感情問題などを訴えて来るという事は、此の信仰を何と心得ているのか解し難いのである。然し右のような考え方の信者も相当あるであらうから、頂門の一針としておいたのである。

それで帰りがけの彼に言ってやった。

「そんな暇があったら、神様の本を出来るだけ読みなさい」

(光新聞四十六号 昭和二十五年一月二十一日)