意外な話

近来、日本人の死亡率や伝染病減少を喜んでいるが之は大間違いである。寧ろ油断の出来ない現象で、その理由を説明してみよう。

吾々の常に唱うる病気は、浄化作用である以上、上の健康体は浄化発生はないが、一般人は中の健康だから病気発生しやすい。其場合医療を受ける。医療は浄化停止だから摩擦を生じ、病勢悪化死亡する。

伝染病も同様の理で、その證拠には普通健康民族は伝染病に罹り易い。伝染病が老人に少く、幼少青年期に多いのにみても明かである。とすれば伝染病減少は体力弱化の為であり、死亡率減少は体力弱化の為、浄化が起り得ないから罹病率が少ない事になるから兎も角健康が維持される。

右の理は先進国の人口統計が物語ってゐる。それは死亡率減少の次に来るものが人口減少である事は、英仏の統計にみて明かである。英が近年人口増加率逓減によって国力が衰え、仏の人口マイナスは有名な話である。

而も日本は産制まで行う以上、数年ならずして人口大減少時代の来る事は吾等の確言する処である。

(光新聞二十三号 昭和二十四年八月二十日)