巻頭言

今度帰朝した社会党々首片山氏の言によれば、欧洲では今キリスト教が盛んだとの事だ。之は全く人心自ら宗教を求めざるを得ない事になった為であらう。勿論唯物文化が如何に進歩発達しても、人類福祉を増進する事は不可能といふ事に目覚め始めたからでもあらう。

今一つ片山氏の言の中に欧洲の一般傾向は戦争に懲りて戦争に対する恐怖は異常なるものがあり、何としても生活を楽しむ時代の要望切なるものがあるとの事だ。之によってみても如何に人類は形而上的解決を望んで来たかが判るのである。

以上の如き世界的機運に対し、その要望を満すべき価値ある宗教の役目を遂行すべく、折角努力しつつある吾々で、此雑誌の名の如く地上天国樹立こそ、次の時代の目標であらねばならない。

(地上天国八号 昭和二十四年九月二十五日)