巻頭言

熟々世相を観ると、為政者の歎声を発する事も無理ないと思ふ程その余りに社会悪に満ちてゐる事である。敗戦国であるからと言ってしまえばそれまでだが、吾等は到底晏如たる事は出来ない。勿論心あるものは何とかしなければならないと思ってはゐるが、扨てどうしようといふ方法も手段も見当らないのが実情である。といふ事は政治も教育も宗教も現実の社会悪を救ひ得る力があるとは思えないからである、尤も其力が本当にあれば斯様になる迄には至らなかった筈である。之等を思ふ時、本教の使命の如何に重大であるかを痛感すると共に、その活動の一機関である本誌の役割も亦、忽せならぬ重要性を認識するのである。

此意味に於て、吾等は粉骨砕身人類救済の一路を邁進し、神意に添ひ奉るべき覚悟である。

(地上天国五号 昭和二十四年六月二十五日)