麻疹とその手当

そろそろ麻疹の時期になったから些か注意を与えたいが、実は麻疹に就ては医学は本当の事は未だ判っていないらしい。というのは一番わるい事である処の、氷冷を用ひてゐる。氷冷の結果麻疹が出そこなってしまふから麻疹の毒が押し込められ内部器能に集中する。麻疹によくある肺炎や中耳炎もその為である。

昔から風に当ると悪いとされてゐるのも風に当ると冷るから、出損うという訳で同じ理である。何しろ麻疹は一種の皮膚病であるから軽い病気である故に麻疹に罹ったらたゞ寝かしておくだけで冷す事も暖める事もしなければ簡単に治るものである。尤も浄霊すれば尚速く治る。ただ知っておくべき事は肺炎であるが、之は肺胞に麻疹が出来るので、肺臓内の容積がそれだけ減る。従って空気の吸収量も減るから呼吸が頻繁になる。然しこれは一日か二日で治るものである。又中耳炎や結膜炎であるが之は麻疹の毒がそこから出ようとする為で放任しておいても必ず治るのである。

(救五十五号 昭和二十五年三月二十五日)