医業者に警告する

これから追々我救世教が発展するに従い、最も脅威を感ずるのは、何といっても医師と売薬業者であろう。それかあらぬか近頃目には立たないが売薬業者はその対策に腐心し、密かに協議しているとの噂も耳にするが、さもありなんと思う。この事に就いて私は以前から相当の考慮はしていたが、それかといって大善は小悪を伴なう以上、全人類を病苦から救うという大聖業であるとしたら、その関係者が或程度の犠牲も亦止むを得ないと思うのである。併しこれまでの処さしたる事もなく済んで来たのであるが、何れはそういう時の来るのも予想はしていた。何しろ本教によって救われる人々が日に月に増えるに従い、追々世間の注目を引くようになるから、医業者に与える影響も亦少くないのは当然である。

そうしていつも言う通り現在進歩したと称する医学は、進歩処か逆に病気を作り、悪化させる事と、薬も同様毒物であり、病気に効くのは一時的で、結局は病気を作り、増悪させる以外の何物でもないのであるから、この事が一般に知れ渡るとしたら、嫌でも問題にならざるを得ないであろう。併し現在はそれが分らない為、逆に健康上不可欠のものとして、寧ろ奨励さえしているのであるから、実に重大問題である。ここでこの大発見がどうして生まれたかという最初からの経路をザットかいてみるが、丁度今から二十数年前であった。私は生来の病弱を解決せんがため苦心努力の結果、自らの体験によって医薬の誤謬を根本から知り得たので、これは容易ならぬ問題として引続き熱心に研鑚を続けている内、偶々信仰生活に入るに及んで、病理、健康、治病の要諦が分ると共に、治病の力をも与えられたので、ここに動かすべからざる確信を得、一大決意の下に普く天下に知らしむべく邁進して来たのである。処が予想の如く追々知れ渡るに従い、救われる者数知れず、何れは世界的大問題になるのは、最早決定的といってもよかろう。

以上の如く私は今日迄凡ゆる方法によって、医学の迷蒙と薬の害毒を分らせるべく努力して来たが、何しろ長い間の医薬迷信に捉われている現代人の事とて、その困難さは並大抵ではない。併し如何に頑迷であっても、真理は飽く迄真理である以上結局は兜を脱がざるを得なくなるのも分っている。何しろ現在日々数えきれぬ程の重難病者が救われつつあり、救われた人々の感謝感激の礼状は、現在一カ月二百通以上に及んでおり、尚日に月に増えつつある現状である。

この趨勢を以てすれば、社会一般に知れ渡る日も左程遠くはあるまいから、その時になって医業者諸君の慌て出すのは分りきっているから、そうならない内に一日も早く頭の切替えをする事である。それを予想してか近頃当事者が内密に対策を講じている話も聞くが、それは表面からの対抗は困難であるからである。本当からいえば、この病院で、この療法で、この薬で、この通り全治した、という証拠を見せるべきだが、それが不可能であるから、問題は極めて深刻である。然も事は人命に関する重大問題であり、一方前記の如き劃期的真の医術が生まれた以上、既成医学の崩壊は時の問題でしかあるまい。故に事ここに至っては、どうしても大乗的見地に立って善処するより外致し方ないであろう。然もこの救世の大業たるや神意の発動であるから、免れる道のないのは勿論であるから、当事者は一日も早く一大決意をされん事である。そうでないとしたら、近き将来容易ならぬ事態に直面するのは、火を瞭るよりも明らかである。

（栄光二百五十七号　昭和二十九年四月二十一日）