病人氾濫の布哇

本教海外宣伝の第一歩として選んだのが、彼の布哇(ハワイ)であって、約二カ月前から樋口、安食の両布教師が、同地を根拠として活躍し始めたのは已に知る通りであるが、最近の別項通信にある如く、予期以上の成果を挙げつつあるのは、洵に慶賀の至りである。そうして文中にもある如く、布哇在住の人達の健康の余りに酷い事実で、全く日本人以上とさえ思えるのである。これこそ誤れる医学の為であることは言う迄もないが、私は予てから同地の文化は大体米国式である以上、医学による被害者も定めし多いだろうと想像はしていたが、これ程とは思わなかったので、愕然としたのである。従って若し本教の救いがなかったとしたら、どうなったか分らないと思う時、慄然とせざるを得ないのである。何よりも一度本教の出現によって偉大なる神の力を知るや、旱天(カンテン)の慈雨に遇った如く、大衆の救いを求める声は騒然として起り、燎原の火の如き勢を以て拡がりつつあるその状況は、洵に素晴しいものがある。その為日々活躍しつつある両君が、嬉しい悲鳴を挙げているというのであるからこの勢を以て進むとしたら、近き将来布哇全土は世界最初の地上天国となるかも知れないとさえ期待が湧くのである。

この事実によって推察出来る事は、米国の現状である。無論罹病者の多い事は布哇と同様か、或はそれ以上かも知れないと思う。そうして予定の如く近々ロスアンゼルスを根拠として、同国への救いの手も延びる事になっているから、始まったらこれ又予想以上の成果を挙げるであろう。これについて先頃発行した彼の“アメリカを救う”の著書であるが、この著を編集の時私は不思議に思う程気が急(セ)いて、約一カ月で出来上った位で、今迄こんなに早く出来た例はなかったのである。今これを考えてみても、全く神様が非常にお急ぎになったとしか思えないので、これによってみても米国に於ける健康的危機は、一日も猶予出来ないからであろう。併し人間的には何程急いでも同国の法規や宗教関係何や彼や相当の難関もあるので、全アメリカ人の耳へ入る様になる迄には、相当の時日を要すると思われるが、これも亦止むを得ないのである。

何しろ知っての通り、今日同国が医学の進歩を誇示し、唯物的方法、諸般の施設等々、至れり尽せりで、特に近来の如く新薬の続出、手術の進歩等にみても、同国人の健康状態は非常な速度を以て悪化しつつあるのは想像に難からないのである。一方霊界は日に日に明るくなりつつあり、浄化は愈々旺盛となる以上危機は刻々迫り、最後に到ってはどうにもならない事態となり、病に斃れる者数知れずという一大恐怖時代が出現するのは勿論である。併し今日この様な事を曰っても、私の頭脳を疑いたくなるだろうが、私は確信を以て今から警告するのである。故に万一私のいう事が的中したとしたら、第三次戦争処の騒ぎではない。キリストの曰った世の終りは愈々来たと思う事になろう。

茲で日本人にも警告したい事は、その時になってこの大惨事を対岸の火災視する事は出来ない。というのはアメリカ程ではないにしても、日本も相当惨害は免れないからで、予め覚悟をしておく必要があろう。併し幸な事にはそれを予知している本教は、この大危難を救うべく幾十万もの救いの戦士を準備しているから、大いに意を強うして可なりである。故に米国とは比較にならない程多く助かるので、この点日本は大いに恵まれている訳である。処が今迄右の様な大異変の来る事と、その救いの大使命を帯びている本教の実体を知らないが為、本教を世間並の新宗教と思い蔑視している人々や、その謬見に引っ掛かっっている人こそ憐れなる小羊である。而も斯ういう人はインテリ側に多い現在、この人達こそ洵に気の毒なものである。従ってこの文を読んだ人は速かに本教に来って、来るべき大危機を免るべく素直に信ずる事である。併し斯んな事を今日曰っても、信仰を弘めんが為の嚇し文句位にしか採るまいが本教に限ってそんな必要は些かもない。何故なれば本教の病気治しは医学とは比較にならない程素晴しいので、ドシドシ発展しつつある現状であるからである。

(栄光二百十一号 昭和二十八年六月三日)