医学の無力

この御蔭話の患者について言いたいことは、医学の余りに無力なことである。日本製の注射では効かない、アメリカの注射薬より外にないというので、それで治るかと訊くと、請合われないという。只それだけの話でどうしようもないのである。としたら医学の余りの心細さに驚かざるを得ないのである。この事実によっても医学進歩の程度は分るであろう。としたら実に問題である。とはいうものの、それは医師にも分っているに違いないが、ウッカリ言うと忽ち顎が干上るから、要領よくお茶を濁しているのだろうが、この精神的苦しみはお察しするのである。

大石に押しつけられた様な
強度の頭重短期間に癒さる

(本文省略)

(栄光二百一号 昭和二十八年三月二十五日)