スポーツマン早死の理由

今日世間で最も不思議に思っていることはスポーツマンの人達が割合早死である事である。何しろ体育協会の会員であり、体育に就いては常から出来るだけ錬磨しているに拘わらず、右の如くであるとすれば、茲に疑問が生ずるのは当然である。特に結核の多い事も衆知の通りであるが、之に関して医学の方でも全然分らないで困っているようだから、私は根本原因をかいてみよう。之は私の経験にもよるのであるから、絶対間違いないと思って貰いたい。

先ず体格を見ると、右とか左とかの或局部に必ず毒素の固まりがある。それは何が為かというと、運動の場合姿勢が一定しているからで、その一点へ力が集るという訳で、其処へ毒素が集まり固結が出来るのである。私が常に言っているように、毒素は神経を使う処に寄るという意味に外ならないのである。

処がその固まりへ浄化作用が起り、発熱で溶け、咳が出、痰が出るので、それを医師は結核と診断するのである。併しこれも放っておけば必ず治るのであるが、色々な浄化停止手段を行う結果段々悪化し、遂に不帰の客となるのであるから困ったものである。

この点からいっても一日も早く現代医学の迷蒙を霽(ハ)らし、真の医学を確立したい念願に燃えている吾々である。

(栄光百九十三号 昭和二十八年一月二十八日)