アレヨアレヨ

今度神仙郷が完成し、美術館も出来たが、之は本教モットーである地上天国、即ち真善美の中の美の面の最初の小さな模型であるから、何れは此模型が段々育ってゆき、世界大となるのは勿論であって、一点の疑う余地などないのである。それから真と善も形はないが何れは具体的に表われる時が来るから其つもりでいて貰いたいのである。右の如く神様の経綸は眼には見えないが、霊界ではズンズン進んでいるのであるから、何れは三大目標が世界の表面に現われるとなったら、其時は何人も吃驚仰天、開いた口が窄(スボ)まらぬであろう。

そうなってから、アゝ俺は長い間飛んでもない誤解をしていた。メシヤ教こそ最後の救いであった事を知らなかった。何と自分は迂闊であったのであろう。といっても今更頭を下げて行くのも強腹だと、歯ぎしりする人も沢山出来るだろうし、而もそういう連中はインテリやジャーナリストの特別鼻の高い人に多いのだから、気の毒でもあり可笑しくもある。

本来神様というものは洵に皮肉に見えるものであるが、本当からいうと皮肉でも何でもない。つまり人間の方で皮肉を作り、其皮肉で苦しむのだから、神様からみれば哀れな仔羊である。そんな訳で今に世界中の偉方もそうだが、特に日本の偉方達は一同魂消(タマゲ)て、アレヨアレヨと空を見つめて茫然とするであろうから痛快でもあり、可哀想でもあるから、此アレヨアレヨ組に、今からチクリと針を刺して、気を付けておくのである。

(栄光百六十六号 昭和二十七年七月二十三日)