今年の赤痢大流行は、誰も知る通りであるが、此分でゆくと余程の数に上るであろう。処が医学では、赤痢は黴菌によって伝染するものとして、予防に汲々たる有様であるが、現在はそれより外に方法がないから致し方ないとしても、吾々から見れば、寔に幼稚極まるものである。というのは、医学は黴菌のみに心を奪われて、菌の本元に無関心である。つまり判り易く言えば伝染するようになった黴菌は、謂わば黴菌の子孫であって、最初の一匹即ち黴菌にも先祖がある事を知らねばならないのである。だからその一匹の先祖を湧かないようにするか、そうでなければ、子孫が沢山殖えない内に殺し尽して了えば、それで済んで了うのである。
処が吾々の方では、それ等の点がハッキリ判っているから、赤痢などは恐るる処か、問題ではないのである。仮令、赤痢に罹っても、二三日で完全に治す事が出来るからでもある。何と此幸福たるや、言葉には表わせないであろう。之等は信者はよく知っているし、第三者では仲々判り難いから、茲では書かないのである。
(栄光百十九号 昭和二十六年八月二十九日)