よく医学は、麻疹、チフス、赤痢を初め種々の伝染病に罹り全治するや、免疫となって再発しないとしている。その理由としては、その病気に対する抵抗力発生の為と言うのである。然し、吾等からみれば、これは全然見当違いである。因って神医学による解釈をかいてみよう。
抑々伝染病とは、人間の血液中に存在する悪性毒分を、消滅させんが為のものであって、血液清浄化の自然作用で、全く神の恩恵である。先ず黴菌が侵入するや、伝染病が発生するものと、しないものとあるのは右の如く毒の多少によるのである。勿論、病気発生者は、毒分多有者であるからであって、一度黴菌が血液中に入り込むや、忽ち、自己の食物である毒分を喰いつつ、非常な速度を以て繁殖する。然し、都合の好い事には、一方種族を殖やしつつ、他方自己の役目だけ果したものは次々死亡する。その様にして全毒分を喰い尽す事によって病気は治癒するのである。その結果、毒分のない浄血者になる以上、再び其伝染病に罹る憂いがなくなる。之を免疫と言うのである。これが真相であって、結果からみて医学は、抵抗力発生の為とするのは、一種の想像説であろう。
何よりも伝染病に罹り治癒するや、病気前より例外なく健康を増すのにみて明かである。此理が徹底的に判ったとしたら、伝染病は何等恐るる処なく、寧ろ喜んでいい訳である。故に、伝染病者が悪化したり、死亡するのは、右の理に反する療法を行われる為とみるべきであろう。
(栄光百三号 昭和二十六年五月九日)