左記の人は、まだ自然農法に徹底していないからで、斯ういう見方の人は非常に多いと思うから、一寸注意しておこう。最初の十五俵という多収穫は、堆肥を多くしたからというが之は逆である。堆肥が余り多いと、土の成育力を妨害するから、反って不作になる。此見方もまだ肥料迷信が残っているからである。又青田の頃見たままで良否を決めるのは早計である。要は収穫を見て批判すべきである。次に失敗した過程などというが、自然農法に失敗は決してない。もし失敗があったとすれば、それは今迄の肥毒が残っている為である。要するに土自体が、肥料の塊りであるという事が判ればいいのである。
自然農法寸考
(本文省略)
(栄九十七号 昭和二十六年三月二十八日)