連作豊収

だから本農法に於ては連作を可とする。現に私が実行している例であるが、今年作った玉蜀黍(トウモロコシ)の如きは連作七年に及んでおり、然も箱根強羅の小石混りの土で、恐らく不良土としては申し分がないにも拘らず、本年の出来栄えなどは素晴しいもので、実附きは行儀よく密集し、棒は普通より長く、甘味があって柔かく、美味満点である。

然らば何故連作がよいかというと、土壌は作物の種類によって、その作物に適応すべき性能が自然に出来る。これも人間に譬えればよく分る。労働すれば筋肉が発達し、常に頭脳を使う作家の如きは頭脳が発達する。又人間が年中職業を変えたり居所を転々すると成功しないのと同様の理で、今日迄如何に間違っていたかが分るであろう。

(革命的増産の自然農法解説書 昭和二十八年五月五日)