御 光 話 録 第十九号

昭和二十五年二月十八日

“四年に一度あるといふ日蝕が今年は三月と十月に二度あるとの事ですが、天体の動きが人間と密接な関係があるものと致しますと、右の事にも何か意味がございませうか。

“少しは関係がありますけど、大した事はないですね。こういった週期的な事は、人間がどんなに善くても悪くても、ちゃんとやって来ますからね。

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二月二十八日

“私は二十七年間鉄道に勤務して居りましたが、昨年七月家族全部が入信させて頂きました。所が、本月二十一日妻に霊が懸り、地獄より天国へかけての霊界の様相を語りつゞけ、早く鉄道をやめて御神業に専心せよとの言ひつけでありました。妻は二十二日の夕方平常に復しましたが、二十四日再び霊が懸って鉄道に出てゐては駄目だとの事でありましたので早速辞表を提出致しました。課長は三月の整理の時に辞めたらどうかと親切に言ってくれましたが、二十五日限り辞職せよとの霊の厳命でしたので正式に辞職致しました。所が、昨日会長先生より鉄道を止めろと言ったのは狐霊の悪戯との御話を伺ひ全く驚いてしまいました。然し、既に辞職致したあとですので、今後は御道に努力させて頂き度いと存じますが宜しいでせうか。

“そうですね、一寸早過ぎた様に思はれますがね。これは祖先の中の一人が懸ったんですね。祖先の中にもゆっくり落ついてるのと、非常に焦るのとありますからね。これはあせる人ですよ。あせる人が狐を使ってね――だから之は狐許りではないんですよ。狐はこういふ事が上手なんですね。だから祖先が何か言ひ度い時には多く狐を使ふんです。狐だけの場合もありますけども、狐が祖霊の御用をする場合もあるんです。これは一寸焦り過ぎた様ですね。然し、早過ぎたって言っても、どうせ極く僅かの違ひなんですからね。だからどこまでも御神業に専心進んで行く可きですね。そりゃあ、鉄道の仕事をやるより、この仕事をやってゆく方がどれだけいゝか判りゃしませんからね。鉄道の仕事だったら他に代りは幾らでも居るし、一人や二人やめたってどうって事はありませんしね。一人でもこの御神業の為にやってゆくってのは大変ないゝ事なんですからね。大いに、一つ、やるんですね。結構な事ですからね。

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“或信者の知己である医学博士が会員の座談会に出席して、かなりの感銘を受け、自分の扱ってゐる病人の浄霊を依頼して参りました。この博士も痔瘻、神経痛、糖尿病を病んで居ります。依頼を引受けても差支へございませんでせうか。

“差支へないでしょ。大威張りでやっていゝですよ。(笑声)それでね、こっちは体に触らないんだから医師法違反になるなんて惧れは絶対ありませんからね。今度ね、私の娘の結婚の仲人をしたのが医学博士なんですがね。この人は昔、私が今の家内と結婚した時の仲人なんですよ。で、私の書いた本なんか読んでますから幾らか判ってるんですけどね。その人が、結婚の日の前から御夫婦共に具合が悪くなっちゃってね、一人は風邪で、一人は何でしたっけね、――兎に角婚礼だからどうしても出掛けなくちゃあって言ふんで、決死の覚悟で出て来たんで両方ともフナフナになっちゃってるんです。そこで、私が浄霊をしてやったんですがね。そしたら一遍でよくなってね、帰りにはもう殆ど何ともないってんです。でね、二、三日経ったらね、おかげですっかり何ともないって、とても喜んで御礼に来ましたよ。

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“私の家は寺でございますが、自宅を教会にしても宜しいでせうか。尚、寺の宗旨は曹洞宗で御本尊は十一面観音で、明主様の御開眼を頂いて居ります。

“差支へありませんがね、――結構ですけどね、然し何時かは違ふ所へ行く様になるかも知れませんよ。それだけ承知してゝおやんなさい。

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“「世の終り」の様相を予言して、聖書では「((*1))其の時、その患難(ナヤミ)ののち、日は暗く、月は光を発(ハナ)たず。星は空より隕(オ)ち、天にある万象、震(フル)ひ動かん」などと表現されてありますが、之は実際にこの様な状態になるものでせうか。

“これはね、一つの寓意的なものなんだらうと思ふんですよ。「((*2))大きい雹が降ってその重さ一タラントあり」とか「火山が噴火して川も熱湯の如し」とかありますがね。実際にこういふ事になるんぢゃないんだらうと思ひますがね。世の終り、つまり「最後の審判」ですね、これはきびしいものなんですが、そこに、神の恵みによって他の形に変へてくれる事があるんです。それは、つまり人類を助けて下さる神様の大慈悲ですね。そういふ場合があるんですよ。米ソの事なんかでも、私はこの正月頃には随分喧しく言ったんですがね、あれから後で一寸神様が御経綸を御変へになった点があるんです。詳しい事は今に話しますがね。ですから、米ソ戦なんてものはね、世間の人が見る様な見方と大いに違ふ点が出来る訳です。之は私最近神様から知らされましたがね。――神様ってのはね、実に大きいんですよ。全く、原爆戦争が起れば人類は滅亡しちゃいますからね、滅亡しなくても済ませる様に予想外の事が起きて来ますよ。今言ひ得る事はね、ソ聯の国内事情で一寸意外な事が出て来るんですよ。それで余程形が変って来るんです。

注:((*1))  マタイ伝二四・二九
((*2))  黙示録一六・二一

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三月三日

“医学では絶対不治とされてゐる心臓弁膜症の原因及び浄霊箇所について御教示下さい。

“こんなの訳はない。これは心臓の周りに毒があって固まらうとする、その固まる時に苦しむんです。それともう一つの場合は、心臓の周りの毒が浄化して熱を出す為、その熱にあおられてなるんですよ。それから、偶にはおなかの浄化による事もありますね。大体臍の上下に固まりがあり、その浄化熱が心臓に影響するんです。心臓の表裏とおなかと、おなかの元は腎臓だから腎臓もよくやる事ですね。それから狭心症って病気がありますがね、あれは肩をやると屹度治りますよ。肩の凝りから来るんですからね。

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“今迄神式で先祖を祀って参りました家で、御屏風観音様を御奉斎申し上げますには如何致したら宜しいでせうか。

“そのまゝお祀りして差支へありませんよ。観音様は神仏両方だから。

“今迄戒名なんかも別にございませんが……

“戒名なんかなくたっていゝですよ。

“御位牌は如何致したら宜しいでせうか?

“神式だったら位牌なんかないでしょ?

“何々の尊と書いたものでございますが……

“あゝ、あれはそのまゝで構ひませんよ。

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“床の間の天井が低い場合、御神体の上の方を御巻きしても宜しいでせうか。

“いけませんね、これは。切ればいゝでせう、長ければ。下の方が引きづってるのはいけませんよ。人間だって着物が引きづってたんぢゃ気持が悪いでしょ。(笑声)

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“人を尤(トガ)める事と注意する事との相違(限界)は如何様な心得を以て当れば、御神意を汚さないでせうか。

“之は限界も何もありませんよ。人を尤めるって事は全然いけませんよ。それも警察官や裁判官ならいゝですがね。(笑声)先づ自分を尤める事ですよ。どんな事でも人を尤めてはいけないんです。どんな事でもね。だから私は人を尤めませんよ。たとへその人が間違ってる事をやってゝも  打棄らかしておくんです。勿論アッサリと教へる事はありますよ。「そんな事をすると、こうこうこういふ結果になる」って言ってやる事はあります。けど、私の言った事を用ひるか否かはその人の自由であって、たとへ聞き入れなくたって、それ以上もうどうにも仕方がありませんよ。何某だってそうですよ、私は以前注意した事があるんです。けど、あの人は私の言葉を守らなかったんですよ。矢張り、その人が腹からそう思ふんぢゃなくちゃいけない。そうでなけりゃ駄目ですよ。よく言ふんですが、石の落っこちるのを坂の途中で抑へるのは駄目なんです。下へ落っこちてから目が覚めて気がつく、それが本当なんです。こう言ふと、愛がない様に聞えるかも知れませんけどね、然しこっちの方が本当の愛なんですよ。日本では子供が転ぶと、親が直ぐ走って行って起してやるけど、西洋では子供が自分で起き上る様に言ふって事ですが、この西洋のやり方の方が愛が大きいんです。可愛がって親切にするってのは愛が小さいんです。だから、その人の将来を本当によくしてやるのが本当の愛なんですよ。例へば、金のない人に金をやったってそんなのは一時的で駄目なんです。自分で苦しんで、たとへ破産したっていゝから、そうやった挙句自分で覚るのが一番いゝんです。そしてそうするのが大乗なんですよ。そこで、人を尤めるのは一番いけない。人間が人間を尤めるのは神様の地位を犯す事になるんです。人間なんてみんなポチポチなんだから。(笑声)人を尤めるなんて慢心ですよ。だから中には尤める人より尤められる人の方が霊的に上位の事だってよくあるんですよ。(笑声)

“何か間違った事をした人に「何故そんな事をしたのか」と言ふ事は尤めることになりませうか?

“「何故したか」って言ふのは尤めるんぢゃありませんね、聞くんだから。(笑声)

“「それは悪い事だからこうしなさい」と注意する事は宜しいでせうか。

“アッサリ話をして注意するんならいゝですよ。それからね、「こうしてはいけない」って言ふのよりも、「こうした方がよい」とか「こうすべきと思ふ」って言った方がいゝですよ。「相成らぬ」って言ふのはよくないですね。そして尤めると人が怖がる様になるんです。怖がらしておいて人を屈服せしめる――なんてのは最も愚かな事なんですよ。

“とかく他人に迷惑をかけ、なかなか言ひつけを守らぬ人を、遂感情に走り「彼奴は馬鹿だ」とか「悪魔だ」とか言ふ事は人を裁く事になり罪を構成しませうか。

“構成しますね。(笑声)こんな事を言ふのは神の権限を犯すんですから。こんな場合、本当に馬鹿なのは御自分様なんですよ。つまり主観ですね。

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“「悪と戦ふ」といふ事と「悪に負けない」といふ事とは如何なる心得を堅持して居れば間違ひはないでせうか。

“あのね、悪と戦ふっていってもね、本当は戦はない方がいゝんですよ。けど、悪に負けちゃいけないんです。勿論、一時は負けたっていゝけど、最後には勝たなけりゃいけない。だからそこに辛抱がいるんですよ。私は悪に負けないから、時にはこっちで裁判を起す事もあるんです。中には昭和十三年に裁判を始めて漸く今年になって勝ったのもありますよ。然もそれは一審で負け二審で負け、とうとう大審院で勝ったんです。○○さん、あんた知ってるでしょ、あのGの問題ね、今度示談になって私の方であれを買ふ事になったんですよ。

“あゝそうで――、随分しつっこい奴で……

“いや、先方もこっちをしつっこいって言ってますよ。岡田位しつっこいのはゐないってね。(笑声)あれだって途中で先方から示談にしようって申し込んで来たんです。けど、私は嫌だって断ったんですよ。そしたら、「何時迄経っても解決しないから」って言ふんで「どっちか死ねばいゝ、そしたら解決する。あとの人は面倒臭いからやめてしまふだらうから」と言ったら「いや、どうも……」って言ってましたがね。私は悪には絶対に負けない。勿論、こっちに一寸でも悪があっちゃ駄目ですよ。去年も○○と戦ったけどこっちが勝ちましたよ。あれはとてもおっかないんですよ。だから「それは無茶だ、どんな事されるか判らない」って心配する人もありましたがね。私は「無茶でもいゝ。私は世界を相手にしたって悪には負けない」って言ったんです。で、それもとうとう追放になって本国に帰されましたよ。読売新聞の時だってそうですよ。「あんな大新聞を相手に喧嘩しちゃあ損だ。先方は一応力があるんだからどんな事されるか判らない」と言はれたけど、その時も私は「相手が大新聞であらうと、力があらうと構はない。たとへ日本中の新聞を相手にしたって、私は悪とは戦ふ」って言ったんです。私は悪には絶対に負けませんよ。一時負けても最後には必ず勝つ。――信仰してる人はそうでなけりゃ嘘だ。正しい神を信仰してるんなら必ず悪には勝つ筈なんだから。悪に負けるから悪が栄えるんです。以前、私が実業をしてゐた時、三越と取引をしてたんですが、三越に不正があったんで、私は断然取引をやめてしまったんです。所がこっちはチッポケな店だったんですからね、向ふは呆れ返ってましたよ。(笑声)然し、最後にはとうとう頭を下げて来ましたがね。人間はね、正しい事さへしてれば何も心配したり怖れたりする事はないんですよ。

“悪に負けないといふ事は何もせずに時を待つ事でせうか?

“いや、何もしないんぢゃいけない。矢張り之も時と場合によっていろいろなんですよ。相手が訴へて裁判するっていふならこっちもそれに応じたらいゝし、時にはこっちから裁判する事もあるんですよ。この前も或る土地を買った所が、それからあとで先方がその土地の木を伐ったのでこっちから訴へて裁判をした事がありますがね。――何でも極端はいけないんです。時と場合によってね、うまくやってく事ですよ。先方が撲って来たらよけりゃいゝんです。撲ってるのに態々顔を突き出しちゃあ。(笑声)……

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(信者に関し某教会と某教会の間で起ったいざこざに就て――)

“これは心得とく事ですね。自分の方がいゝって言ふのは悪いんですよ。何故なら、自分を善いとし他人を悪いとする心が悪いから悪ですよ。よく、先方の教会を悪く言ふ人がありますが、そんなのはアベコベに解釈する事ですよ、その方が確かですね。

“その場合、弁解致します事は如何でせうか?

“いや、今話したのは他人同志だから弁解ぢゃありませんね。――若し自分が悪く言はれた時には、一通りは事情を話したらいゝ。そしてそれを信じる信じないは先方の勝手に任せたらいい。だから、一応は弁明する、そしてその先は神様に御任せしたらいゝんです。その時だって一々弁明しなくたって構やしませんがね、正しいものは勝つに決ってるんだから。けど、気持が悪いですからね、あんまり変な事言はれるとね。(笑声)――白隠禅師の有名な話がありますね。不始末して子供の出来てしまった女が禅師の所へ逃げ込んで来たので、禅師はその女をかくまってやった上、その子を自分の子だと言ったんですね。それを聞いてその女の親は怒って、生仏の如き白隠禅師がそんな事をするとはけしからんって訳で、村人達と一緒に皆で禅師を村から追ひ出してしまったんです。その時白隠禅師は何とも言はなかったけど、何年かして本当の事が知れ、今度は大した坊さんになったんですね。だから言ひ訳なんかしなくたっていゝんですよ。

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“某地方某町の烈風中の大火の折、十七軒消失の中一戸だけは焼け残りました。その時その家の人がマジナイとして婦人の赤い腰巻を屋敷稲荷にかぶせ、もう一枚を竿の先に結びつけ屋根の上で狂気の如く振り回して居ました。之は焼け残った事と関係ありませうか。(爆笑)

“こういふ事はよくあるんですよ。けど、まあ之は一寸判りませんね。恐らく稲荷が手伝ったんでせうね。然し、こういふのは余り信じない事ですよ。チッポケな火事ならいゝけど、すばらしい火事だったら腰巻位ぢゃあねえ。(爆笑)……マジナイってものは昔からいろいろありますがね、けど医学なんかより確かでせうね。(笑声)何故って――効果のある方が科学ですからね。(笑声)

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三月八日

“数多くの聖者の中、阿弥陀如来だけは御事蹟がない様ですが、之は何故でせうか。

“そんな事ないですよ。阿弥陀はもと法蔵菩薩と言ってね、釈迦の友達みたいなものだったんですよ。そしてその法蔵菩薩が西方に浄土を作るから、釈迦の弟子の中で覚者――等覚とか正覚とか言ふあの覚者ですね――覚者を自分の方に寄越して貰ひ度いって頼んで、西方に地上天国の様なものを作ったんですね。そして亡くなってから霊界へ行き、阿弥陀になったんですよ。

“その西方とはどの辺でせうか?

“印度の西ですよ。

“はゝあ、印度の西で……

“えゝ。

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“最近よく御浄化で耳の遠くなる人が多い様でございますが、之は何か意味がございませうか。

“そうですかね。やはりそういふのは罪から言ふと、先方が嫌に思ふ事を聞かせるっていふ事になるんですね。人間はね、出来るだけ先方の気持よくなる話をしなくちゃいけない。罪から言ふとそういふ事になるんで、耳の病気は割合そういふのが多いんですよ。そういふ事の好きな人がよく居ますからね。人をびっくりさせたり、うんと悲観させたりする癖のある人がね。

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“夜尿症を御浄霊させて頂きましても、非常に早く治りますのと、なかなか頑固なのとございますが、頑固な方は霊的な原因があるのでせうか。

“体的でも霊的でも、早いのととても永くかゝるのとありますよ。――体的に言へば、あの括約筋ですね、キューッとしめる働きをするんですが、これがたるんでしまふんですね。つまり、開け放しになっちゃふんですよ。だから無意識に漏らしてしまひ易いんですね。そしてね、この括約筋のもとの神経は前頭部にあるんです。元来前頭部と生殖器は天地になってるんで、とても関係が密接なんです。ですから、夜尿症の人は前頭部と、括約筋を吊ってる所に毒素が固まってるんですよ。そして神経細胞を支配するものは後頭部にあるんですから、延髄附近もよく浄霊する事ですね。毒がとれるに従って治りますよ。然し、クセがついてますからね。クセがひどいのはすっかりとれるまでに相当永くかゝりますよ。年頃の娘さんなんかでよくこゝの具合の悪い人がありますがね。やはり年数の経ってる人は治るのにひまがかゝりますね。だから赤ン坊なんかは早く治りますよ。

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三月十八日

“御歌集「山と水」にある沙羅双樹(サラソウジユ)とは如何なる樹でせうか。

“沙羅双樹ってのは菩提樹ともいふし、橄欖(カンラン)樹とも言って、釈迦が修業してゐた時にこの樹の下で行をしたんですね。「樹下石上」って言葉があるでしょ。あれはこの樹の下の石の上で修行した事なんですよ。印度ではとても尊ばれる樹ですよ。あの焼けた千葉の日本寺にはこれの大きいのがありましたがね。

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“国常立尊は現界に御出ましになられた由承りましたが、それでもやはり鬼門に便所や台所がありますのはいけませんでせうか。

“これはね、艮から「艮の金神」の霊気が流れて来る訳ぢゃないんですよ。そういふ霊気が艮から発生する様に出来てるんです。つまり、地球の上の汚いものを浄化する気が艮から来るんですよ。だから矢張り鬼門はどこまでも清浄でなけりゃいけませんよ。便所や台所が鬼門にあるってのはいけませんね。

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“「惟神霊幸倍坐世」を御称へする場合、「カムナガラ」と「カンナガラ」とどちらの発音が正しいでせうか。

“これはどっちでもいゝですよ。強いて言へば、「カム」の方が正確ですけどね、然し「カン」の方が言ひ易いからそれでもいいんです。だからどっちでも構ひませんよ。

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“「幽世大御神」と「幽世大神」とではどちらが宜しいでせうか。

“大御神の方が余計尊敬してる訳ですけど、大御神って言ふ必要はないですね。「幽世大神」でいゝですね。大御神って言ふと最高の神様のことになるんですが、幽世大神様は最高の神様ではありませんからね。

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“一会員、昨年十月突然中気となり、以後唾が始終出ますが食欲がなく、何を喰べても同じ味がし、どれを喰べても美味しく……

“こりゃあいゝや。(笑声)

“空腹感も満腹感もなく、お湯でも水でも酒でも酢でも何を飲んでも同じで、(笑声)入浴しても熱いぬるいが判らず、右半身がしびれます。之は如何なる訳でせうか。

“珍らしいですね。これは普通の中風ぢゃありませんね。――これは霊が懸ってるんだな。自殺か他殺で毒死した霊ですね。その毒も砒素剤の様な毒ですね。砒素剤を飲むと神経が麻痺しちゃって、全然無感覚になりますからね。以前、やはり毒死した霊が懸った人がありましたが、この人は体も何も全然動かなくなったんですよ。歩いてゝも急に発作が起きて、往来でも何でも突然ばったり倒れちゃってね、口を開いたら口を開いたまゝ、眼をあいたら目をあいたまゝ、まるで石地蔵の様になってしまふんですよ。――こんなのも気永に根気よく浄霊してれば治りますよ。

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三月二十三日

“将来茶道は特殊な方々のみに親しまれるものでせうか。或は大衆的なものになるのでせうか。

“そうですね、今よりずっと大衆的になるでせう。然し茶道ってのは一つの趣味ですから、茶道にまで趣味を持つってのは労働階級までは行かないでせう。ま、中流階級でせうね。今よりはもっと一般的にはなりますが、一般大衆までには一寸難しいでせう。それよりも、将来は外国人が茶道を理解し、外国人が相当やる様になるでせうね。米国人なんかもかなり茶道に関心を持ってますね。この間も或所へ行ったら米国人で俳句を三十年もやってる人が居ましたがね、大抵の日本人の俳句をやる人よりよく知ってゝ、芭蕉なんかも非常に詳しいって話でしたがね。それから最近英国で短歌の本を出した人があるでしょ。アメリカ婦人で活花なんかやってる人もありますね。又、アメリカ人は日本の建築にも関心を持って居り、スープなんかを日本の茶碗で飲んだりしてますね。この間アメリカの雑誌「ライフ」に出てましたが、アメリカでも木膚を見せた建築が出来てますね。椅子なんかも日本的に低くしたり、障子もだんだん用ひられてますね。日本人がアメリカ式をとり入れると共に、その反対にアメリカでは日本式をとり入れてますね。茶道なんかも今に外国ではやる様になりますよ。そうなると日本人はビックリする事でせうね。

“資格者は男女共一応茶や活花の方式を知っておくべきでせうか。

“そりゃあ、知ってた方がいゝですね。天国になれば芸術が非常に発達しますからね。やれる事情にある人はやったらいゝですね。

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三月二十八日

“私は昭和二十三年入信した者ですが、主人と長男が御道に反対し特に長男は御写真や御神体に御無礼迄働き私を気狂ひだと申します。余りの妨害に私は家を出まして一生懸命に御縋りして居ります。最近主人は早く帰れと申しますがどうしても帰る気になりません。主人は身持ちが悪く私は四人目の妻でございます。私の五人の子供を罪滅しに御道に御奉仕させ度う存じますが如何でせうか。

“そうですねえ。これぢゃ一寸、ま、具合が悪いな。たゞね、こういふ事は気をつけなけりゃいけない。家を出るのはいゝけどね、それを一つの材料にして「メシヤ教ってのは家庭破壊の信仰だ」といふ風に悪く宣伝されると、やはりこの御道の障りになりますからね。そういふ事のない様にやれば、家に居ても家を出ても差支へありませんよ。宗教によっては、信仰に入った為に家庭の平和が破壊され何かと問題を起すのがよくありますがね。こんな事から誤解を受けると障りになりますから注意しなくちゃいけません。こんな場合に、どういふ風にしたら一番いゝかって言ふと、この人が肚の中だけで信仰して、家庭では信仰の話をしないでね、そして神様に御任せしておけばいゝんです。この人は自力でやらう、自分で判らせようとしてるんですが、自分だけ益々信仰を深めて時期を待つっていふやり方が一番効果的なんですよ。世間には極端な宗教がありますからね。以前やっぱりこの人みたいな立場の人があって、それは○○教でしたがね、先生に聞いてみた所、その先生が「あんたは神様と御亭主とどっちが大切なんですか?御亭主を捨てゝ家を出なさい」って言はれたんでね、その通りしたそうですよ。その人はその後こっちへ入信しましたが、主人がある様な、ない様な変な具合なんでね、よく聞いてみたらそういふ訳だったんですよ。その頃主人は満洲に行って留守だったからまだよかったんですが、内地に居たら大分面倒だったでせうね。

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“本年三十才の女、二十才の時に癲癇になり二十五才の時から御浄霊を受け殆ど治りましたが、最近再び発作が度々起る様になりました。之は全治致しませうか。

“癲癇ってのはね、簡単には行きませんよ。悪くなったり、よくなったりしてだんだんよくなるんですから。簡単なのもあるけど、普通五、六年はかゝりますよ。ひどいのになるともっとかゝるのもありますね。この人も心配しないでね、気永にやってく事ですよ。

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“先日突然鶯が家の中へ飛び込んで来まして御軸に止りましたので、御神前を汚しては大変と存じ追ひました所、飛び立つ瞬間に御軸に粗相をしてしまいました。……

“鶯が止るってのはいゝんですがね。之は間違へたんですね。いけないと思ったから追ったんで、追はれたから粗相してしまったんですよ。

“汚しました御神体は如何致しますれば宜しいでせうか。

“汚した場所が文字にかゝってるんですか?

“かゝって居りません。

“ぢゃ、経師屋に頼んで洗ひ落したらいゝですよ。鶯が止るなんて本当に結構なんですがね。その事知らなかったんですね。……

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四月三日

“神様から御覧になって安楽死は如何でせうか。

“悪いですね、こりゃあ。然しね、苦痛にたへずしかもどうしても助からないってのも、その原は医学がそうさせたんですよ。従って医学がなくなれば苦痛もなくなる、だから安楽死なんて事もいらなくなるんです。丁度、唯物的になったから人間悪い事をする、だから警察が要るのと同様ですよ。

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“映画「子鹿物語」の御感想を御伺ひ申し上げます。

“えーと、あれはどんなんだっけな。私は映画をいろいろ見るんで筋が……あゝ、あれは少しおかしいですね。あれは親が間違ってますよ。何故かって言へば、鹿なんかより人間の方が大事なんだから鹿が作物を荒したら子供が泣かうが何しようが、断固鹿を追放すべきですよ。その点親が寛大過ぎますよ。まあ、あれは動物愛護を誇張したんでせうが、常識に外れてますね。

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“一会員最近水害に遭ひ山が崩れて家が突出されてしまいました。然も隣りの未信者の家は無事で、この信者の家だけ被害を受けました。他に移転の場所を求めたくてもありませんが、そこに再建致しても宜しいでせうか。只今、光明如来様を頂く準備中です。

“これは準備中で未だ祀ってないんですね。

“はい。

“そうでせう、祀ってあればこんな事はありませんよ。やっぱり浄化ですよ、その家に対するね。ま、こうしなくちゃ光明如来様を御祀り出来なかったんですね。

“その場所に建て直しても宜しいでせうか?

“えゝ、いゝですとも。

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“五十八才の女性、肝臓部と腹部全体に痛みがあり、食後は必ず痛みます。最近腹部が腫脹し姙娠八ケ月位の大きさです、尿は一日四、五回で色は白茶色です。御救ひ頂けませうか。

“これは誰が浄霊してるんですか?

“私でございます。

“もう何日位やってるんですか?

“二日致しました。

“二日ぢゃ未だ判りませんね。けど、気永にやってればいゝですよ。

“医者は潰瘍だと申しますが……

“潰瘍って、胃の?

“はい。

“血を吐くんですか?

“いゝえ、吐きません。

“潰瘍ってのは血が出る事なんですよ。出なけりゃ違ひますね。それから、うしろの背中が凝ってるんです。だから腎臓をよくやる事ですね。

“御浄霊致しますと腹が張って来ますが……

“毒が溶けても、それが濃い場合は一時腹に溜るんですよ。やがて小便になって出ますよ。

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“床の間のない家で御神体を御奉斎致します場合、置き床でも宜しいでせうか。

“いゝでせう。それよりか外に仕様がないですからね。

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“御浄霊を頂く時に御守り様を頂いたまゝで宜しいでせうか。

“御浄霊を受ける受けないに関係なく、御守り様を外しちゃいけませんよ。御守りは湯に入る時だけ外して、あとは一分も外しちゃいけません。

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“御守り様を忘れて御浄霊致します事は御無礼でせうか。

“勿論、御無礼にもなるし、第一そんな心掛けぢゃいけませんね。大体、御守りを忘れるなんてのは魂が抜けてる証拠ですよ。(笑声)

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“性教育必要の有無について御伺ひ申し上げます。

“いけませんね。性教育なんてしたら却って逆結果になりますよ。第一ね、性教育をしなけりゃ判らない様な人間はありませんよ。(爆笑)神様がそういふ風に人間を御作りになったんですからね。たゞね、花柳病にならない様に説明する事はいゝですがね。

“性的に無智ですと早く機能が弱ってしまふ様に存じますが……

“それは罪によるんです。だから弱るのは当り前ですよ。その人が性的な罪を犯してる場合、神様が御与へにならないんです。不感症ってのがありますがね、あれを治すのは訳ないんですよ。その人に罪があるんだから人を助けて徳を積めばいゝんです。

“射精力の弱いのは如何でせうか?

“それは体が弱ってるんですよ。殊に腎臓をよくやる事ですね。それからね、私はこういふ問題に就ても根本的に知ってるけど、公開の席上ではあんまりね。(笑声)……ですからね、本当に自分や周りに判らない事があったら「特別質問」として出しなさい、(笑声)判る様に返事を書いて上げますよ。そういった事も救ひですからね。

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“何かの霊が局部的に憑く事はありませうか。例へば鳥の霊が憑くと臭覚がなくなりませうか。又、それは鼻にだけ憑いてるものでせうか。

“局部的に憑くのと全体のと両方あります。又局部から全体に拡まるのもありますよ。そして霊が人間の眉間へ来ると、もうその人の体全体を支配しますね。鳥の霊の為に嗅覚がなくなるのは頭に憑いてるんです。それから肩なんかに憑いてる事はありますが、鼻だけってのはまあないですね。

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“忠魂碑や銅像を作りますと、霊にはどの様な影響がありませうか。

“そういふものを拝むと、想念がいゝ意味でその霊の所へ届きますね。けど、之も考へもんでね。下手にやっちゃ却って悪いですよ。今、日本にあるのなんかむしろ建てない方がいゝ様な人のが多いんでね。(笑声)立派な人のならいゝのですがね。あの広瀬中佐のなんかいけませんよ、神田のあんな所へ建てゝね、交通妨害ですよ。(笑声)

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“他の教会に負けずに発展する様に祈願致す事は如何でせうか。

“これは少しケチくさいですね。この道は世界を救ふんだから、他の教会も発展し、自分の方も発展する様に祈る事が本当ですよ。負けずに発展しようってのはいゝ意味の競争だけど、然し未だ小さいですね、小乗ですよ。だからそれよりかも、この教団全部が発展して人類全部が救はれる様に祈願すべきですよ。他の教会なんか目に入らない位になるのが本当ですね。どうも日本人の悪い癖としてケチな根性があるんですね。例へば、どうか日本がよくなります様にってのは悪くはないけど、やっぱり小さいでしょ。日本だけよくなればって気持から今度の大戦が起きたんですからね。もっと大きく世界人類を救はうと念願すべきですね。以前、大本時代に「どうか自分は天国に救はれ度い」って言ふ人がありましたがね。その人に対して私は「自分は一寸も天国に救はれ度いとは思はない。むしろ一人でも多くの人を天国に救って上げられます様にと願ってる。その為には、たとへ私は地獄へおちてもいゝ」って言った事がありましたがね。人間はどうしても自分を主にし、自分の事にとらはれてしまふんです。勿論全然とらはれないって事は出来ないけど、自分にとらはれてはいけないんだって事を知ってれば目先がきゝ腹が大きくなるんです。そして腹の大きい人の方がどうしたって大きく発展しますね。小さい人はやっぱり駄目ですよ。

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四月八日

“信者の家に御奉斎してある大黒様に御祈りする場合「五六七大黒天守り給へ幸倍給へ」と奏上して宜しいでせうか。

“さあ、その大黒様が「五六七大黒天」っていふ名前ならいゝけれども――普通は大黒天神だけでいゝですね。

“では、「大黒天神守り給へ幸倍給へ」と申し上げれば宜しいのでせうか?

“そう……大黒天様がいゝですね、神はつけないでいゝですね。

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“針などが体に入った場合、針が体中を廻り心臓に入って死ぬと申しますが、御浄霊を頂けば大丈夫でせうか。又、針のさゝった所を御浄霊すれば宜しいのでせうか。

“さゝった針が体中を廻るなんて、こんな事はありませんよ。嘘ですよ。心臓へ入って死ぬなんてのも嘘ですよ。それぢゃ、まるで心臓が磁石みたいですね。(笑声)浄霊すれば針なんか出て来ますよ。針のさゝった所か或はその近くをすればいゝんです。この浄霊をすれば体の中の余計なものは必ず出て来ますよ。以前ね、弾丸が体に入って無くなってしまったのを浄霊したら、暫くして出て来ましたがね。だから、何でもないですよ、心配しなくていゝですね。

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“熱心な一信者、よく憑霊状態になりますが、その霊は非常に御光を頼り、御浄霊を頂く人や迷ひ疑ふ人々に、御光を早く頂いて御観音様の御手伝ひをする様にとすゝめます。この場合居合せた人は之によって熱心になる場合がございます。神懸りが正しくないとすれば霊懸りも正しい信仰ではないと思ひますが、被浄霊者に霊媒能力のある場合には如何致したら宜しいでせうか。

“これは大変な間違ひだな。霊憑りが正しい信仰でないなんて、そんな事はありませんよ。――この人は正しいんですよ。霊の言ふ事が正しければそれは正しいんです。そして霊の言ふ事が正しいか正しくないかってのは常識で判断するんですよ。「この方は神ぢゃ」なんて言っていろんな事を命令したりするのは正しくないんです。そんなのは狐のいたずらですからね。先にもありましたがね、狐が始終指図してね、「今直ぐどこどこへ行け」とか「之を喰べると死んぢゃふぞ」とか言ふんですが、之も狐にたぶらかされてるんですよ。けど、こういふのは正しいんですよ。祖霊の中の誰かゞやってるんですね。祖霊は、子孫が早くいゝ事をしないとその家が早く救はれないって事が充分判ってるんで、そうやって知らせてるんですよ。だからこれはいゝんです。

“その家には狐の田植姿の掛軸がありまして、その霊が懸った様に存じます。以前御伺ひ申上げました鉄道をやめた会員の事でございますが――その掛軸は燃してしまって宜しいでせうか?

“だってその狐はいゝ事してるんぢゃないですか?鉄道をやめさせてこの信仰に入る様にしたんでしょ?(二月二十八日の御講話参照)

“はい。

“狐と言ってもね、皆悪くはないんですよ。狸にはあんまりいいのはない様ですがね。(笑声)狐にはなかなかいゝのがあるんですよ。だから之は燃しちゃいけません。その家の極く下座へ祀ってやればいゝですね。そうすれば喜んで働きますよ。  いろんなのがありますがね。私がカイセンで寝てた時に、関西の方の或る教師が二十人許りの信者をつれて突然やって来たんですよ。どういふ訳だって聞くと、その二十人の中に女が一人居て、その女に大先生の霊が懸り、これから二十人連れて直ぐ熱海へ行けっていふ御言葉だったので連れて来たって言ふんです。それだけなら未だいゝんですがね、その教師とその女と結婚しろっていふ仰せだから結婚しようって、その女が押しかけ女房みたいにやって来たっていふんです。私は「飛んでもない、それは狐にたぶらかされてるんだ。そんな馬鹿な、私が生きてる中は霊が懸ってやるなんて事はないから、――ま、特に必要な時にはそういふ形をとる事もありますがね、――そんな事はない、直ぐ帰れ」って言ってね、追ひ出したんですよ。そうしたら、その教師の人は到頭狐にたぶらかされてしまってね、こっちに反対みたいな事をしちゃいましたがね。その中に病気になり親類が無理に病院に入院させて、死んぢゃったらしいんですがね。こんなのは正しくないんですね。そこで「サニワ」って事が必要なんですよ、「サニワ」とは神を審くと書くんですがね。

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“「正守護神は祖霊中の誰かゞ選抜され、普通は人霊であるが同化霊である龍神、狐、天狗等もある」と御著書にて拝見致しますが、正守護神は祖霊同志の選抜によるのでせうか、或は神様が選抜なさるのでせうか。

“祖霊同志でもなけりゃ、神様でもなく、祖霊の中でその時の霊界で一番上の祖先がやられるんですよ。同化霊ってのは動物霊でね、之は人間から動物になり未だ人間に生れ変って来られないのが同化霊となり正守護神の仕事をして、そうやっていゝ事をして次に人間に生れ変る為に働くんですよ。

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“二十一才の男、(一昨年八月入信、両親はその前年入信)本年二月御面会に参上、礼拝の御讃歌奉唱中に霊が浮いた様な状態になり、以後浄霊を嫌ひ、御浄霊しようとする両親に乱暴をし何かと御道に反対致します。この場合、強制的にでも浄霊して宜しいでせうか。

“これはね、無理にやっちゃいけないですよ。当分打棄らかしておいた方がいゝですよ。これは狐が懸ってるんですからね。狐が苦しいから反対してるんですよ。

“それに、祖霊が憑いてゐるらしく、両親に対し非常に差出がましい態度をとりますが……

“えゝ、同化霊でせう。――邪魔があるってのも、その家に罪穢れがあるから、狐なんかゞ邪魔出来るんですからね。時期ですよ。出来るだけその家の人が善根を積む事ですよ。その徳によってだんだん穢れが取り除かれると霊が邪魔しようとしても手も足も出なくなりますからね。

“先日も母親を鋸で打ん撲ったり、木剣で叩いたり致しました。

“ほう、矢張り霊が苦しいんですよ。

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四月十三日

“観音講の連中が御道の事を聞き、光明如来様を新しい御堂に御奉斎申し上げたいと希望致して居りますが宜しいでせうか。

“えゝ、御祀りしてもいゝですよ。

“そこは平常は人が住んで居りませんが――

“えゝ、住んでなくても構ひませんよ。たゞ粗末にさへしなけりゃいゝです。御祀りすれば御利益がありますよ。

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“火素の増量により治り方が大変顕著になりましたが、又一面毒素を多く保有してゐる人が溶解を始めた場合死亡する事も多いと存じますが如何でせうか。この場合相手が御道を理解してる時は宜しいですが、理解してゐない時は手をつけない方が宜しいかと存じますが如何でせうか。

“これはいけませんね、こういふ考へ方は。第一、理解してる人は救ふ必要がありませんよ。理解出来ない人程救ふ必要があるんですよ。それが救なんです。そうでしょ。だから、理解してない人程して上げなけりゃいけませんよ。それからね、やった結果がどうなるかって事を心配するのは極く悪いんですよ。人間の方で結果をどうこうって決めるのは神様以上ですよ。こういふ事はよくあるんですがね。結果が悪いと御道の為にならないって考へて心配する人がありますが、之は大間違ひですよ。たゞ、気の毒だ救って上げたい――といふ気持、それが慈悲であり、惻隠(ソクイン)の情なんです。已むに已まれず救ふっていふのが本当で、又その方が御利益もあるんです。人間の方でなんだかんだって考へると御利益もないんですよ。  剣道の試合なんかでも、負けたら大変だなんて思ってると負けてしまふんで、もうこうなったらどうにも仕様がないって気持を持ち、それ一途になると却って勝つんですよ。勿論、外の事なら結果を打算したって結構ですよ。けど、こういふ事は打算しちゃいけませんね。こんな具合に物事によっていろいろと考へ方が違って来るんです。だから時と場合によって千変万化しなくちゃいけない、それが融通無礙なんです。

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“北海道芦別山地方に伝道させて頂いて居りますが、同地方では鬼門はどういふ風になりませうか。

“鬼門ってのはどこでも同じで、東と北の間ですよ。で、芦別山ってのは一時神様が御隠退になられた因縁があるんですけど、艮を芦別山に限るって訳ぢゃないんですよ。若しそうなら芦別山の向ふ側はどうなります?  そういふ小さいもんぢゃない、大きく考へる事ですね。

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“舞踏病の原因及び御浄霊の急所を御伺ひ申し上げます。

“これは動物ですね、特殊な、暇さへあれば動いてる様な動物ですね。この急所は前頭部の中心ですよ。だから、前頭部と首の回りと肩をよく浄霊して頭に血を充実させる事ですね。それから背中から腎臓も大事ですからね。

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“雪国では屋根の雪を降す場合とか草屋根修理の場合等に屡々屋根に登りますが、光明如来様を御祀り申し上げてある家では一旦おはずし致すべきでせうか。

“こんなのは構ひませんよ。屋根を修理する為なんだから御無礼にはなりませんよ。雨漏りなんかでも神様は御許しになりますよ。――あのね、神様って御方はよく判っておられますからね、だから物事によって適当にすればいゝんですよ。よく高い所に住んだ方がいゝって言ひますがね、これもその周囲に応じていゝ加減の所でいゝんです。低い所ぢゃいけませんがね。若し高い所ってのを本当に守るとすれば富士山の上に家を建てねばならない。(笑声)私はこういふ事は或程度だけ守る事にしてるんです。――箱根の神山荘の中の「鳥の家」ってのはそういふ意味で名前をつけたんですよ。あれは私の家より上でしょ、だから人間ではいけない、けど鳥なら構ひませんからね。(笑声)神社だって鳥なら屋根に上っても罰は当りませんからね。その時の事情によって言霊でやり直してもいゝんですよ。屋根の修理の時も一応御断りしておけば尚いゝですね。行き届きますからね。たゞ、普段御神体を下に祀ってゝ二階に人間が寝たりするのは極く悪いですがね。

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四月二十八日

(熱海大火の際、一会員の家がたゞ御浄霊のみによって類焼を免れたことの御礼を申し上げる)

“この本部でもね、奉仕隊の人が手を振ったんですが、浄霊の方が水をかけるのよりも効果がありますよ。(笑声)私、不思議に思ったのはね、あの時にこんな大きい火の塊がいくつもいくつも落ちて来たんですよ。それをステッキでこうやって叩くと大きいのがコナゴナになっちゃふんですよ。それが面白くてね――所が、私が暫く居ると、その大きいのは降って来なくなって、粉みたいなの許になっちゃふんですよ。そんな事が二、三回ありましたがね。

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“夏暑い時など洋装の婦人が御守り様の紐の代りに鎖を使はせて頂く事は、殊に装飾にもなり宜しいかと存じますが如何でせうか。

“えゝ、鎖でもいゝですよ。

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昭和二十四年四月二十三日

“五十四才の婦人、(一昨年入信)左右の手首が腫れ指先が曲って居り、又膝と手首も腫れて痛みます。本人の母親も同じ様な病気で死んで居ります。之は霊的でせうか。

“霊的ぢゃないですね、之は。関節リューマチでせう。だから痛い所を浄霊すればいゝですよ。多少永くかゝるのもあるけど、屹度治りますよ。そして固まってるの程永いですね。

“リューマチによく蜂を刺して治す療法がありますが、之をした人を御浄霊致します場合治り方は如何でせうか?

“いけませんね、あれは。第一、蜂の怨みが大変ですよ。先に胃が悪いんで胃の部分に蜂療法をやった人を浄霊した事がありますがね。その中に猛烈に痛んで来たんで、上野毛の頃でしたが、余り痛むんで田園調布の別荘に移しましたがね。その時、神様から御知らせがあって、あれは蜜蜂療法をしたんでその時殺された何百匹って蜂の怨みだって事が判ったんですよ。……全くひどいですね、あれは。第一、蜂ってものは病人の体に刺す為に神様が御作りになったんぢゃありませんからね。(笑声)

“刺された針が針だけでズンズン体に入って行くそうで……

“えゝ、それに針を刺した蜂はもうそれで死んでしまいますからね。だから怨みが大変なんですよ。

“やはり蜂の毒で体の毒を抑へる――と考へるべきでせうか?

“そうですね。――あの針にはオゾンがついてゝそれで治るんだなんて事も言ひますがね。

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“生後一年二ケ月の女児、右腰の骨が脱臼して居ります。機械をはめ乍ら御浄霊した方が宜しいでせうか。

“機械をはめずに浄霊してれば治りますよ。機械を使ってたんぢゃ駄目ですね。

“骨が外れたまゝでも宜しいでせうか?

“えゝ、いゝですとも。ちゃんと旨くゆきますよ。脱臼してたんでもちゃんと治りますからね。

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“十四才の女児、逆子にて出産しその上唖ですが、之は霊的に関係がございませうか。

“逆子が唖の原因ぢゃありませんね。逆子でも何でもなくったって唖の人がありますよ。之は外の原因ですね。浄霊によれば半分位までは治りますよ。或は全部治るかも知れませんがね。ま、やってみる事ですね。生れつきの唖ってのは前の世で死ぬ時、頭を潰したり耳を潰したりして死んだのが霊界に於ける浄化不充分の為未だ残ってるんですね。

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“二十九才の人妻、子宮発育不全で二回内膜掻爬を致しました。腎臓部に相当の固結があります。この人の主人は酒は相当飲みますが健康で居ります。姙娠は可能でせうか。

“あゝ、これは大丈夫ですよ。可能性ありますよ。内膜掻爬なんか全然滑稽ですね。子宮の発育不全ってのはあるけど、之は腎臓が原因ですよ。この腎臓部の固りをとかし、それから股の附根にも必ずグリグリがありますからね、それもとかせば屹度出来ますよ。子宮前屈や子宮後屈なんかも腎臓をやればいゝんです。腎臓とその上の方が固まってますからね。多少永くかゝりますから気永にやってく事ですね。

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“四十才の女、最初右足が動かず医療を加へる中にやがて腰から下全体が動かなくなりだんだん細くなりました。医師は脊髄麻痺と言ひ最近は左足にも移行しつゝあります。御救ひ頂けませうか。

“治りますがね、これは薬毒ですよ。右脚に薬毒が固まったんですよ。細くなったってのは脚を使はないからですね。それが段々と上に登って来て腰に来たんです。脊髄麻痺だなんて全然デタラメですよ。こんなのにヴィタミン注射なんかやると却って脚が悪くなって来ますよ。こんなのは「ジンゾウ病」って言ってね、体の「ジンゾウ」ぢゃなくて、人間の造った「人造病」ですよ。(笑声)浄霊は腎臓が一番主ですね。それから股、股の外側、臀部の下の方をよく浄霊すれば治りますよ。

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“一会員の乳腫の固いしこりがだんだん大きくなります。そのまゝで宜しいでせうか。

“腫れて来れば結構ですよ。無論、だんだん腫れがひどくなり、しまひにブヨブヨになり、やがて孔があいて膿が出るんですよ。浄霊すればする程余計腫れますよ。大いに喜んだらいゝんです。

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“湯屋、マーケットに光の名前をつける事は如何でせうか。

“そうですね、之は面白くないですね。ま、普通の名前がいゝでせうね。つまりね、光ってのは尊いんで、やたらにつけると名前負けがするんです。名前ってものは悪いのもいけないけど、よすぎてもいけないんです。いゝ名前をつけたゝめ却って運が悪くなったって事もありますよ。だから矢張り相応の理って言ってね、何事も相応しなくちゃいけませんよ。その方が繁昌しますよ。

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昭和二十五年四月二十八日

“某雑誌に「大昔太陽と月の運行が一日停止した」との記事がありましたが事実でせうか。又これは日本に於ける天の岩戸隠れと霊的に連りがありませうか。

“こんな事はありませんよ、なんかの間違ひですね。こんなこと絶対にないですよ。若しこんな事があったらね、空気が全然なくなっちゃって生物は全部死んぢゃいますよ。どうもくだらない事を言ひますね、学者ってのは。もっともらしい顔をして時々馬鹿々々しい事を言ふんですね。天の岩戸隠れってのはね、天照大御神が素盞嗚尊に押込められた事を言ふんでね、それとこれは全然違ひますよ。

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“六十九才の信者(婦人)以前に子宮後屈をした事がありますが、昨年十月に三度大出血し劇しい時には三升も出血して意識不明になり、御浄霊により恢復は致しましたが以来心臓が弱り元気がありません。之は出血の為と存じますが全治致しませうか。

“この出血は下からなんでしょ?

“はい、左様でございます。

“之は何ですよ、月経の古血の溜ってたのが出たんですからね、こういふ人は毒血が多いんですよ。そして古血が出ると同時に他の毒血もその附近のが一緒に出ますからね。――毒血が出ればよさそうなもんだけど、今迄毒血で体が持ってたんだし、そこへもって来て新しい、いゝ血がそう急には出来ないから、それで貧血するんですよ。

“顔がむくんで参りましたが……

“えゝ、下からの出血でなくてもね、胃潰瘍なんかでひどく出血しても、むくみが来て青ぶくれになるのがありますよ。これはね、貧血すると腎臓の活動が鈍りますからね、それで小便の処分が出来ない為にむくむんです。けど、むくみも血がふえるに従って腎臓が治って来るから大丈夫ですよ。

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“狐霊に憑かれた人、腹に居る時は塊となり時々腹をグルグル廻り膀胱の所へ来ると小便を止めてしまいます。御救ひ頂けませうか。

“えゝ、狐はよく小便を止めますがね。祝詞を上げて浄霊すれば直に治りますよ。

“祝詞も上げ、ひどい時には三人で御浄霊致して居ります。

“三人でやるって言ひますけどね、一人でやるのが本当なんですよ。大勢でやればよさそうなもんですがそうぢゃないんですよ。狐霊には天津祝詞を上げる事ですね。直き出る様になりますよ。

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“私は嘗て不動様を信仰してゐた事がありますが、その時不動様に願をかけ鶏卵を一切断つ事を誓ひました。六年前入信と同時に不動信仰はやめましたがそれ以後も鶏卵を喰べると嘔吐を致します。しかも知らずに鶏卵を使った料理を喰べましても嘔吐を致します。之は如何なる訳でせうか。

“はゝあ、これは癖になってるんだな。――こういふ事はあるんですよ。あの大本信者ね。あれは肉食は絶対いかんって禁じられてゐたんです。そして信者が肉を喰べるとくだったり、吐いたりするんですね。けど、私は、そんな馬鹿な事があるもんか、それぢゃ西洋人は救へないぢゃないかって言ってね、平気で肉食したんですが、何ともなかったんですよ。他の人も家内もくだしたり吐いたりしたんですよ。そこで大丈夫だから食へって言った所、そういふ気持になって食ふと何ともないんですよ。つまり一つの精神的な癖がついてるんですね。卵なんかを断つのは嘘ですよ。神様が人間に喰べさせる為に作られたものなんですからね、喰べる方が本当ですよ。卵を喰べると誰かゞ苦しむとか、世の中の罪になるとか言ふんだったら、そりゃあいけませんがね。そんな事はないんだから。それに美味しいし、結構なものなんですからね。「そんな馬鹿な事があるもんか」っていふ気持で喰べれば大丈夫ですよ。精神的な癖って言ひますがね、之は副守護神がやるんですよ。副守護神ってのはイタヅラ好きでね、からかふ事なんかとても好きなんですよ。たとへばね、このお茶を飲むとしますね、飲んでから「それには毒が入ってるんだ」って言はれてごらんなさい。きっとおなかゞ痛くなりますよ。(笑声)よく「神経だ」って言ひますがね、それが副守護神の働きなんですよ。おなかを痛くする事なんて訳ないんです。それに人間が信じてると、とてもやりいゝんですよ。信じてると直ぐに痛くする事も出来るんです。……

(光話十九号  昭和二十五年六月十三日)