十月二十八日（木）
“大浄化は来年あたりから急激に来るのでせうか、又は三、四年経ってから急激に来るのでございませうか。
“大浄化はもう余程前から来つゝあるんです。今もさうです。終戦后特権階級の没落とか、皇族の生活難とかもそうですし、今政界がゴタゴタしてゐるのも大浄化です。そして大浄化は急激には来ないで段々に来る。如何なる事でも急激に来る事はないんです。
“一頃盛んでした会員の疥癬が最近余り見られませんが――
“疥癬は段々出なくなります。浄化がつよくなるから疥癬ではなくもっとひどい浄化をする。まあそうなったら大抵生命はないでせうね。つまり今後は疥癬が天然痘の形になると共にそれだけではなく、他の病気も加はるから大変です。
“その時は急激でせうか。
“えゝ急激です。――今は外の浄化が来てる訳だが、まあ神様がうまくやって居られるんでせう。
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“現在世界状勢は非常に険悪になり、第三次大戦の危険も見られますが？
“支那の戦線も大変な大浄化ですね。日本のは没落といふ風な浄化だが支那のは大変ですね。朝鮮の浄化も大変です。――然し私はいろんな予言はしませんよ。どうも問題になって困る。私の言った通りならいゝが「おまけ」がついて、「今に大審判が来て観音教団の人だけ助かる」なんて言ふので、地方の新聞なんかうるさいんです。新しい宗教の予言は世間がやかましくて仕方ない。キリスト教で言ふ「世の終り」といふことなんかは誰も何とも言はないが、――とかく新しい店といふものはなんですよ評判がうるさいものですよ。
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“御浄霊により肉体的に救はれても、精神的に更生される方が少いのは何故でございませうか。
“精神的に更生出来ないといふのはどういふ訳ですか？
“例へば何時までも夫婦喧嘩を続け一向更生した様に見えない方がよくございますが――
“所がなかなかさうは変りませんよ。夫婦喧嘩をしなくなる迄二、三十年はかゝりますよ。急激にぼんぼん変れば大したものです。――それよりも他人ではない自分です。自分がそう簡単に治るかどうかを考へたらよい。五年かそこらで自分の心が治せたら大したものですよ。それから時期といふ事もありますしね。順序や段階もある。以前私が大本教に入ってゐた頃、いゝ宗教だと思ってゐたが一寸面白くない事もあり、五年位止めて離れてゐた事がありました。所が或人からもう一度研究してみる様にと云はれたので、又やり直したらやゝ判り、それから熱心になった。結局私は大本教から別れたがその間は随分熱心にやりました。その時に得た所は非常に多く今でも感謝してゐます。こういふ風だから唯表面から見ていゝとか悪いとかは云へないんですよ。此の道に入っても、初め熱心でそれから不熱心になる人もあり、又その逆の人もある。働きのありさうな人でも結果の出ない人もあり千差万別です。又時機によってその人の本当の働きになったりするのです。だから私は大抵の事は何も云はずにやらせる。そうすると旨く行くのです。間違った事をすれば何れ行き詰り、自分でビックリして改心することもあります。人間は執着をとる事も必要なんだから放っておいた方がよい。行き詰る所まで行かせた方がよい。坂を転りおちる石を途中で止めようとしても無理で、落ちる所まで落ちて了ってから止めたらよい。それと同じで行き詰った時に話をしてやる事が効果があるのですよ。
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“大先生様の御生誕遊ばされた十二月二十三日に今の皇太子殿下も御生れですが、何か御因縁がおありの様に拝察致しますが如何でございませうか。
“私も不思議な因縁があると思ってます。十二月二十二日は冬至で二十三日から春分になる。本当はそうです。それがどうした訳か忘れましたが、一週間延びて一月一日が元旦になったのです。私の歌の名は明麿だが、之は皇太子殿下の明仁といふ御名前を頂いてつけたのです。最初の治療所を開業したのは昭和九年の五月一日ですが、一週間前の四月二十三日にそこへ引越した時、新聞屋が来て、たしか読売だったと思ひますが――新聞を買ってくれと云ったが断った所、皇太子様の御写真だけおいて行った。で、その新聞をとる事にしたが、御誕生四ケ月目の御写真を頂いて不思議に思ひました。近所の古道具屋で赤い額を買って来たらピッタリと合った。之は今宝山荘にありますよ。何か御因縁がある様ですが、今に具体的に表れる事と思ひますがね。
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“天人の御話で処女は罪が少いと伺ひましたが、既婚の婦人は罪が深いのでございませうか。
“罪ではなく汚れが少いのです。女性は生れて結婚するのは常道だからおかしいですがね――兎も角霊界で処女はいゝ所へ行くんですよ。子供の霊は天国の花苑の仕事をしてゐます。女が一人前になると執着が起る、それはありますね。恋愛だって一つの執着ですからね。
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“「ガ行」、「ザ行」等の濁音、「パ行」等の半濁音の働きについて御伺ひ申し上げます。
“ガ、ザ等の濁音は濁りでいゝ働きではない。「人の為」といふ風に「タメ」と言へばいゝが、然し「ダメ」では悪いでせう。けれども濁りも必要ですからね。「イスヾガワ」なんかの「スズ」もスが上でズが下だからいゝのです。ユダヤはジューでありズだからズには唯物的な働きがあります。大本時代、出口王仁三郎の言霊を考へると、出口のデはズ、グチは……（不明）……オニは鬼、三郎は女で月の意味になり、言霊の事が判る様になった時之はユダヤだなと思はれた。大本を脱ける原因の一つも之でした。――濁りを打つのは矢張り濁りですね。
“名前の静子等のズは如何でせうか？
“幾らか唯物的な働があります。――それからパピプペポは強める意味です。
“名前に濁りがあってはいけませんでせうか？
“いゝですよ。人間も濁りが多少なければ、さう綺麗許りではいけない。例へば「水清くして魚住まず」と言はれる様に多少の濁りがあり、それがいゝ塩梅に調和されなければいけないのです。――言霊の事は今に本に書きますが、憶えてゐていゝですね。
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“八大龍王に就て、
（一）特に龍神になられ日本近海に封じられた御因縁、
（二）現在の御働き、
（三）「八人男(ﾔﾀﾘｵ)と女(ﾒ)唯一柱の神御霊(ｶﾑﾐﾀﾏ)とならせ此土に伊都能売神(ｲｽﾞﾉﾒﾉｶﾐ)」との御讃歌の意味、
（四）鳴戸海峡にもどなたか御鎮(ｵｼｽﾞﾏ)りだったのでせうか。
“八大龍王は日本の神ですから、日本の近海に鎮まってゐて時を待った。この時仏にならうとして印度へ行ったが、仏の御働きは具合が悪いので仏滅まで待てといふ訳で日本に帰って来て鎮まった。之は本当ですよ、外の事でも立証出来ます。現在は人間として働いてます。殆ど皆観音教団に入ってゐますよ。「八人男と女」は本当は九柱で九大龍王です。その中の一柱が伊都能売大神です。この神様は私と深い因縁があり常に私を守護してくれてゐます。昔之が私にかゝりいろいろな事を知らせてくれました。この金龍は琵琶湖に潜んで居り、又富士山の二合目久須志神社の神です。やはり霊にも霊と体があり霊は富士山の木花咲耶姫尊で体は琵琶湖に居り、明治四十四年四月二十一日にこゝを出て天に昇られたが、その時は大暴風雨で漁船が四十七隻沈んださうで之は当時の新聞に出た事です。それから殊に鳴戸に鎮まった神はありません。海の神は「金刀比羅和気(ｺﾄﾋﾗﾜｹ)命」と言って海を守護して居られる。之が「金比羅(ｺﾝﾋﾟﾗ)様」です。
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“木花と兄花とはどの様に違ふのでせうか？
“花でいへば木花は桜で兄花は梅です。 どちらも観音様ですが、木花は仏界の観音様で、兄花は神界の観音様です。梅は春になると一番先に花が咲くでせう、だから兄です。普通は花といへば桜を意味しますね。
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“兇党界は神漏岐、神漏美尊が現れ給ふて善悪が生じてから出来たのでせうか。又主神の御目から見た兇党界存在の意義は何でせうか。更に「五六七の御代」になった場合には正神に服するのでせうか？
“之は違ふんですよ。神様を霊と体に分けると、善悪によれば霊が善、体が悪、男女では霊が男、体が女です。「女は体だから悪だ」などと言へば女の人は怒りますよ――主神の御目から見て兇党界が必要ないなら主神の万能の力で潰してしまふのは訳のない事です。神様でも対照的で絶対善の神があるからそれに対して絶対悪がなければならないのです。それがなければ進化しないのです。だから必要悪ですね。以前よく訊かれた事だが「大審判で神が人間を苦しみに合はせる位なら最初から悪人を作らねばよいのに――」といふのです。之は一応尤もですがそれに対して私は「私が人間を作ったのならはっきり理由を言へるが、私も作られたものであり、神様がすべてを作ったのだから、こうだらうと考へるだけです。然し悪因悪果、善因善果だからいゝ事をして幸福になればそれでいゝではないか」と言ふのです。兇党界だって神様の御都合で作られたのでせう。五六七の御代には悪は限定されます。兇党界は獣の働きですから人間に獣の働きが少くなり向上するのです。今の人は「法律」といふ檻の中に生きてゐるのですから。――
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“末期(ﾏﾂｺﾞ)の水と墓石に水をかけるのは何故でせうか？
“末期の水といっても本人よりはたの人が飲ませるのです。又病気によっては喉が渇くこともあるから飲むのでせう。――墓石に水をかけるのは何故か判りませんね。――御供への水は大切ですから綺麗なのを上げねばいけません。
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十一月（月八日）
“夢をみてゐる時霊は脱けてゐると伺ひましたが、眠ってゐる間の御浄霊は或程度効果は少いのでせうか？
“そんな事はありません。霊と霊体は違ふんですから。霊体の方は夢をみてゐたって同じ状態です。抜けて出るのは大体副霊です。
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“御浄霊の時「此の病人が一日も早く治りますように――」と観音様に御願ひする気持になりますが、矢張り之も抑へた方が宜しいでせうか？
“抑へなくて結構ですよ。抑へた方がよいと言ひましたか？それは何か間違ったのでせう。観音様に御祈りし御願ひするといふ気持が本当です。特に危急の場合は、「大先生御守護を御願ひ申し上げます」と言ったら宜しい。その時は私が神様の代理になりますから。然し、普段何でもないのにやられてはこっちは困りますがね。
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“御地蔵様を今迄祀ってゐた人がそれをそのまゝにしてどこかへ引越してしまったあとへ移り住む場合、御地蔵様は如何致したら宜しいでせうか？
“矢張り祀って上げた方がいゝですね。大変な功徳です。祀ると言っても御花を絶やさぬ様に上げ、又時々御飯を上げる位で宜しい。――その人が祀るのを嫌がったらあなたの所へ持って来て祀ったらいゝぢゃありませんか。その人が納得すれば勿論その家の方がいゝですが。
“よく頭の落ちたりしてゐるのも見うけますが？
“えゝ、余りひどく痛んでゐるのなら直したらいゝですね。無理に鼻を削ったりしたら罰があたるかも知れませんが直すのなら結構です。矢張り今迄祀られてゐたのなら祀るべきであって、祀らないと何か祀って貰ひたいための知らせをするかも知れません。祀る位置は多少変っても構ひません。
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“前々回「救いと裁き」に就て有難い御言葉を頂きましたが重ねて御伺ひ申し上げます。私共は日常屡々他人を批評致しますが之も人間には僣越な事でせうか。他人の批判により向上を期し得られるとも考へますが、此の点如何でございませうか。
“批判したって構はない、そんなに固苦しく考へなくてもいゝのです。けれどもね、あの人はいゝとか悪いとか決める事はいけないのです。いゝとか悪いとかいふことは人間には判らない事だから。殊にこっちが明るい気持で言ふのならいゝが、悪意を以てあの人はいゝとか悪いとかいふのはいけないのです。憎悪の心を以て言ふのは罪になります。それから自分が悪口を言はれてそれを気にかける様ではまだ駄目です。自分は天地に俯仰して愧ぢざる行動をとってゐればそれでよい。――他の人からよく思はれたいとか感謝されたいとか思ふのは間違ひです。人の気に入ったり愛されたりするよりも、神様の気に入り神様から愛されたいとの気持でするのが本当です。そうする場合他の人々には悪くとられるかも知れません、然しそれは気にする必要はないのです。――私も以前は散々人から悪口を言はれたものです。大本時代にも、人々を信者にして大本の本部の亀岡へ送るとそれっきり何とも言ってこない。でよく調べたら、亀岡へ行くと「岡田は邪神だから近寄ってはいけない」と言はれるので皆離れて了ったのです。こんな理窟に合はぬ事はないですよ。向ふはこっちが邪神だと思ったかも知れないが、こっちは向ふが邪神だと判ったので大本を離れたのです。――人から悪口を言はれるのは、霊的にはこっちの罪をその人がとってくれるのです。だからむしろ有難いのです。その代り悪口を言ふ方は罪を着るのです。
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“御弟子方につき「あゝなればよい」とか、「こうなればよいのだが――」といふ風にいろいろ考へ勝ちですが、之も執着でございませうか？
“それは信仰がないからだ。神様を信用してないからです。すべて神様がやって居られるんですからね。――神様に御任せするといふ気持になるには余程修業が要るんですね。どうも世間の人々は人間的に考へては苦しんでゐるんですよ。私は問題に直面して適当な案がない時は神様に御任せするのです。――又他の人がしたいといふ事は間違ってゐてもやらせて了ふのです。それはやりたいと思ってゐる時注意してもなかなか悟れない。行き詰って初めて気がつくのです。――
“行き詰ったか否かはどうして判断致すべきでせうか？
“それは直ぐ判りますよ、行き詰った時は気がついて自分で苦しみますから。――神様の方だって「俺にそんなに任せるんならちゃんとしてやらう」といふ事になるのです。だからすべて御任せしたらいゝのです。
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“よくどっちをとってよいか選択に迷ふ事がありますが、或所では何か「こより」の様なものを観音様に御供へし、それを「オミクジ」を引く様に頑是ない子供にとらせて迷ってゐる事を決めるさうですが、大体うまく行くとの事でした。
“えゝ、それはいゝですよ。
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“「信仰雑話」中に「夏暑いのは地球が息を吐く為である」と拝見致しますが、
一、赤道の南北で夏冬が反対になる事、
二、赤道地帯が常に暑い事、に就て御伺ひ申し上げます。
“反対になるのは上下になるからで、地球の息即ち地霊は縦に上下するから従ってそれから遠い南北の極は寒いのです。
“普通は南北の極を結んで地軸と申しますが――？
“それは考へ方の違ひですが、南北の極は両横と考へ、又霊気は赤道の面を上下してゐると考へたらよい。――地霊が出る時は晴で吸ふ時は雨です。之を気象上は高気圧、低気圧といってゐるのです。――日が長いとか短いとかいふが之は太陽が地球の中心、赤道の面に沿って廻る時日が長く、端になると短くなるのです。――今は学者は地動説を唱へてますが、之は嘘で不動説が本当です。天動説はキリスト教から出てゐるのですが、初めてガリレオが地動説を唱へた時異端として獄に投ぜられ拷問にかけられようとしたが、もう七十幾つの年なのでそれは免れたといふ事です。この頃は封建的だったのですね。
“不動説といふ事は、大先生様のみ御存じの事でせうか？
“えゝ、まあ一人だけでしょうね。
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“聖書の中には七の数字がよく出て参りますが 如何なる意味でせうか？
“七は完成の意味です。言霊でも「ナリナル」などと、出来上る事です。大体聖書に限らず、一は初め、独立真神、二は陰陽、そこへ子が生れて三、四は四方へ拡がる。そこへ熱、火が出来る――五、火によって氷が溶け水になる――六、今度は土が出来て完成するのです――七、だからキリスト教では七日目に創成されたといふ訳で七日目を安息日としてゐるのです。之は本当です。それから八は開ける、九は「つくし」といって極点です。十は経緯結ぶ事で之が本当の完成です。今は九の世でありこれから経緯即ち東西文化を融合するのが観音教団の仕事なのです。皆がつけてゐるバッチの○に十はそれを表してゐるのです。十一は結んで始る、二十一世紀といふのは経緯が結んで始る世紀といふ訳です。二十で王となり、その上に最高の神様が御乗りになって世界を御経綸になるのです。又、七は土が本当で片仮名の「ナ」も土になるのです。――「ア行」は基音といって基本であり又霊になるのです。従って「ア行」には物質的な働きはないが、音としては最高です。例へば「タカアマハラ」、「アタマ」等です。
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“片仮名、平仮名、漢字の起原とその働き、及び漢字制限が行はれたり、小学校で片仮名を教へませんが、之は如何に考へるべきでせうか？
“漢字は一番古く、次は片仮名、一番新しいのは平仮名です。又漢字は体で仮名が霊だから全然漢字をなくして仮名丈にして了ふのはいけない。言霊を表すのは仮名ですから。姓名判断でも今迄のは言霊の音は研究されてない。字を見た感じとか、画数、陰陽、又は五行で判断するが之はその先生によってもいろいろ違ふ。例へば大森の熊崎ケイゴといふ人は六を六画、五を五画としてゐました。――絵なんかでは墨絵は霊で彩色画は体であり、又書は霊で絵は体になります。漢字制限はいゝですよ、必要ない字まで憶えることはいりません。然し片仮名はいりますね、英語なんか書くのは矢張り片仮名でなければ、「とるーまん」では感じが出ません。片仮名は霊であり男、火、直ですが、平仮名は体であり女、水、曲です。
“平仮名の名前は画数をどの様に数へるべきでせうか？
“平仮名の画は「い」は二画、「ろ」は一画です。
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“御軸を初めて拝んだ途端一丈程落ちた感じがし、又頭を上げたら元の高さ迄上った感じがしたといふ信者がありましたが何故でせうか？
“それは少し頭が悪いのでせう。一種の軽い脳貧血ですよ。後頭部に毒がある。
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“以前治療時代に、治療士は髭を生やさぬ様にと外の方から聞きましたが之は如何でせうか？
“髭は男には威厳が必要だから神様が下さったのです。生やしたって差支へありませんよ。――頭の毛は伸ばした方がいゝですね。頭を短かくするのは坊主の型でもあり、又外国では懲役人だし、軍国主義的にも見えますからね。国際的になって来た今日、矢張り伸ばした方がいゝですね。
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十一月十八日（木）
“政治家の資金獲得の為の不正が次々暴露されて居りますが、現段階に於てはそれ程責むべき事ではないと存じますが如何でございませうか？
“それはね、今日二合五勺の配給だが、どうしても五勺は足りない。足りない分はどうしてもヤミで買はねばならない。だからヤミの売手もなければならないんです。若し配給通りに守ってゝは腹が減って仕事は出来ませんよ。之が今の政治の実際です。之と同じに代議士になるのだって十万や廿万の金では駄目で、どうしても百万、二百万なければ当選出来ない。当選出来なければ自己の信ずる経綸を行う訳には行かない。所がそんな大金を持ってゐる人はたんとない。金持ちから出して貰ふとしてもこのせちがらい世の中に唯で金をくれる人なんかありはしない。そこで必ず何らかの権利が伴うのです。権利が伴へば検察庁に上げられるといふ訳です。故にいゝとか悪いとかは言へませんね。“
“大乗、小乗の立場から見たら如何でございませうか？
“当てはまりませんね。普通の大小乗ではなく別の方ですね。だから神様に許されるも何もない、法律が許しませんよ。今は間違ひが間違ひを生む世の中です。だから神様が正しい世にすべく御仕事を始められてゐるのです。――いゝか悪いかと聞かれても、私としては自己を偽はらなければいゝ悪いは言へません。――以前軍隊では、兵隊がいくら空腹で卒倒しさうでも命令がなければ、たとへ食糧を持ってゐても喰べられなかった。之は変な話で腹が空いたら喰べたらいゝのですよ。――ヤミはいかんといふ規則を出してゐる人もヤミの物を食ってゐる世の中だからどういふ風に批評していゝか判りませんね。それが現実なんだから、そういふ風になってゐるんだから、――今度出す本にも書くのですが、代議士の選挙資金は一万円もあれば沢山です。選挙も中選挙区にすればよいがそうすればポスターも演説会も要らない。唯政見を印刷すればよい。普通の新聞紙なら一面十七段として六十八名分の政見がのせられる。それを有権者に配り、有権者はその中の気に入ったのに投票すればよい。アメリカは比例代表制だがその方が本当ですね。第一その方が金がかゝらない。――
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“現在の職業でその人の霊的高下が判るものでございませうか？
“之は判らないですよ。神様には勿論判るが、人間には職業だけでは判断出来ません。まあ常識的にその人の言行で判断するのなら大差ないでせうね。一方世間には功利的善人もよく見られますから注意が必要です。
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“生命保険は如何なものでございませうか？
“此の教団に入り或程度判ったら生命保険はいりません。早死しないから。大体九十歳までは生きますからね。だから八十過ぎてから保険をつければまあ少しは得でせうがね。然し保険屋の方で受つけないでせうね。
“火災保険の方は如何でせうか。
“私のはね、家屋までは引きうけませんよ。正しい金で作った家なら大浄化が来ても大丈夫だが汚れた金で建てたのは浄められます。何しろ金には霊がよく憑きますからね。私が建てた家だって燃えて了ふ事がありますよ。
“そのために花柳界なんかよく焼けるのでせうか。
“えゝそれもありますが、然し花柳界にはもっと他にいろんな汚れがありますからね。
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“病人に栄養食を与へる事は如何でせうか。
“先づ栄養食とはどういふものかといふ事ですね。医学では完成した食物といふ意味ですね。所が人間の肉体は完成品が入っては働かないのです。未完成品を完成品にするのが臓器の働きです。だから栄養食を喰へば弱ります。
“衰弱している人に牛乳や卵なんかは――
“それは栄養食ではないですね、衰へると未完成を完成にする働きが鈍りますから或程度完成したものがいゝですね。一番いゝのは病人の欲しがるものを与へることです。リンゴなんかをおろしてやるのもいゝですが果物はリンゴより汁の多い方がいい。医学は外国人を基にしてゐるから日本在来のもの、例へばアンコの様なものは病人に与へることを禁じますが、アンコなんかは材料は小豆で砂糖も入って居り非常に栄養はいゝのですがね。之は西洋にはアンコなんかなし医者の本にも書いてないから禁じるのですね。栄養とは私は食物殊に野菜の中の霊気の強いものをいふのです。野菜でも西洋のは霊気が薄い、日本の土地の方が霊気が強いから作物の霊気も強くなるのです。松茸なんか非常に強いのです。だから香りも強いのです。香りの強いものは霊気が強いと思ってよい。果物は香りがあり汁気の多いものが霊気が強い、柑橘類はいゝですよ。胃潰瘍なんかの場合は「おかゆ」がいゝです。胃壁がたゞれてゐるのだから出血するなら流動食、出血が止んだらおかゆ、それで調子がよかったら「ごはん」にしたら宜しい。チブスなんかも同じで腸出血のために死ぬ事があります。私は下痢の時水の様に下る時はおもゆの薄いのを食べ、便が固まるにつれて食物も固いのをたべる様にしてゐます。
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“人と対談する場合目の位置はどこにおくべきでせうか。
“之はどこへおいてもいゝですよ。その場合によっても違ひますしね。美人と対談する時は余り他処は見ないでせうし、変な顔付の人と話をする時はそうその人の顔許り見ても居られませんから――要するに之は「自然」がいゝのです。相手の人を気持よくして上げる様にする事です。それから社交的には三、四人の人と話をする場合その中の一人だけと話をしてはいけない。皆が気持悪くしない様に話をもって行く事です。――話をしてゐるのに目を余りそらすのも失礼ですが、といって円太郎馬車の馬みたいに真正面許り見てるのもどうも……何事も程度ですよ。御辞儀をするのも余り叮嚀でも又余りぞんざいでも困る。相手と場合により異るべきです、だから交際の上手なのもその人の信仰が向上した証拠です。物事を程よくやる事ですから――又話をしてゐてもこっちの顔を見ない人がありますがそんな時私は此の人は心に何かあるな――と見ます。それは顔を「見ない」のではなく心に何かあるから「見られない」のです。
“よく睨む様な目の人もありますが――
“それは目附が悪いんでせう。本当に悪い事をする人は目つきが柔いですよ、帝銀事件の平沢なんかそうです。之は御婦人に言ふのですが、いゝ男でやさしいのは気をつける事ですね。又しゃべる事が旨い人も気をつけた方がいゝ、話の旨い人はつい人を騙す事が多い。話が下手なのは言葉でゆかず実行に表すから確かです。
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“日月地大神と法華経の彌勒菩薩とは如何なる御関係でせうか。
“彌勒菩薩は釈迦の弟子です。日月地大神はこれから世に現れるのです。釈迦が五十六億七千万年の後に彌勒菩薩が出現すると予定したのは日月地大神の事です。
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“神前結婚式の祝詞は天津祝詞でせうか善言讃詞でせうか。
“之は善言讃詞が本当です。天津祝詞は浄めであり、善言讃詞は浄められた後にいゝ世界が出来るといふ事ですから。勿論両方でもいゝですよ。献饌、玉串奉奠してから祝詞を奏上したらいゝ。玉串は榊か松ですが松がいいでせう。玉串は左手に幹右手に葉の方を持ち神様には幹の方を向ふにして差し上げます。左に幹が来て「一」の字になるのです。
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“教導所新築の場合の地鎮祭について御教示を御願ひ致します。
“大工が知ってますから大工に委せたらいゝです。
“一、三千年に一度花を開くと伝へられます優曇華に就て、
一、胎教について、
“優曇華は印度の伝説で大きな花が咲き中から転輪菩薩が現れて世を救ふと伝へられてます。日本では虫の卵の事で、之も矢張り意味がある様で、之が出ると何か変った事がありますが悪い事が多い様ですね。
“胎教とはいゝ事を聞くと胎児がいゝ子になり顔のきれいな子を生みたいと思ったら美人の写真を見たりするんですが、之は確かに働きがありますね。胎教に信仰雑話を読むのなんか非常にいゝです。偉い人の書画を見るのもいゝです。観音様の御姿なんかいゝ、見る事により霊気をうけるから。
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“昨年十一月七日女児誕生十日死亡、背に紫紺色の斑点あり、本年十一月四日男児誕生七日死亡、体の半面に紫紺色の斑点あり、二回共産後母乳は一日飲んだだけで御産も軽く、両親共受講、今後丈夫な子を授かりますには如何致したら宜しいでせうか。
“之はなんですね、親に毒血が余程多いんですね。それでその子が育っても駄目だから早く――なくなったのでせう。然し毒血は段々減りますからね、次に生れる子はいゝでせう。――両方共七日ですね、之は霊的に訳がありますよ。屹度七日に死んだ霊ですね。又他人なら怨みの霊、怨んで死んだ霊であり又先祖なら七日に死んだ祖霊で、非常に罪を重ねたので子孫にその罪を分担して貰ふんです。ですから結局人助けをして善徳を積んで行く事ですね。
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“アザ、イボ、ホクロ等は何故出来るのでせうか。
“アザには黒と赤の二種類ありますが、黒は怨みの霊でそれが霊に染みついて霊界の浄化でも取り切れない中に生れた場合です。例へば肩を切られて死んだ場合その怨みが向ふの肩へ行くんです。赤のアザの方は自分が斬られたり槍で突かれたりした場合やはり霊界で不浄化のまゝ再生したのですよ。ほくろは運命のしるしです。口のはたのほくろは「喰ひぼくろ」と言って食ふに困らない。私は二つありますよ。首すじのは「着ぼくろ」といって着物に困らず、目の縁のは「泣きぼくろ」といひますね。いぼもとれるのと、とれないのとあります。やはりその人の運命のしるしですね。
（光話一号 昭和二十三年十二月八日）