次に胆石病は、胆臓の中へ石が出来る。その石が一個の場合もあり、数個の場合もあります。
之は非常に痛む。石の出来る場合に痛むのであります。どういふ訳で石が出来るかといふと、水膿が胆嚢中へ入ると、胆汁と化合するので、化学的作用によって石になるんであります。
此場合は胆嚢の後部から水膿が入るんであります。此膿は、最初脊髄から出て腰に滞溜し、それが脊髄から二寸位の右側を上昇して胆臓へ入るのであります。
胆石で五年位苦しんでゐる患者が、四、五回の治療で治ったのがありましたが、此患者は脊髄の右側から胆嚢の後あたりまで水膿が棒のやうに溜っており、又、腰にも溜ってゐて、腰が非常に冷えるのであります。
すべて水膿は非常に冷えをよぶものであります。それで棒のやうになった水膿溜結を溶いたら、胆石病はピタリと治ったのであります。
尚、黄疸は、肝臓部に塊がありますから、これを治療すればいいのであります。
(岡田先生療病術講義録 昭和十一年七月)