蕁麻疹

症状は身体の全部又は一部に粟粒状に発疹して、紅色を呈し痒いのである。原因はカルシュウム剤注射によって起るのは、最も多く同注射が普通二、三年より四、五年位経て起るやうである。医療は療法としてカルシュウム剤注射を行ふが、之で一時鎮静しても、再発するのである。その場合後の治療の為の注射が加はるから、初発よりも増悪するは勿論である。

右カルシュウム中毒以外の場合は然毒が陰性化されたる為、変形的天然痘となって、一種の蕁麻疹的症状を表はすのである。

又、食物の中毒による事もある。之は一日乃至三日位にて必ず治癒するのである。

(医学試稿 昭和十四年)