きょうは、ほんとうに久しぶりで、やっとこれだけしゃべれるようになった。
ですから、おしゃべりしたいことはたくさんありますが、まだ、頭が少し--。
何しろ、あんまり、大きい声を出すたびに、頭へ響くんです。
ですから、もう少し回復して、それから大いに--それも長いことはないと思いますが--それまで、まあ、やっとこの程度で我慢してもらいます。
で、何しろ、こういった不思議な病気というものは、すごくなんともいえん、珍しい体験をしたわけです。
もう、喋れるようになったら、実に奇想天外なことをお話するとは思うんですが、それだけに、楽しみにしていてもらいたいと思うんですが--。
そんなようなわけで、あんまりおしゃべりできないんで、きょうはこの程度ですまして--。
(昭和三十年二月四日)