病患と医学の誤謬

現代医学に於ける誤診並びに治療の無能なる事は、医家と雖もよく認識してゐる筈である。内科的病患が診断と解剖との相違の大学に於ける統計のあまりに多い事は世人は知らないであらう。又西洋医学の治病成績の統計を作ったなら想像もつかない程の不成績に驚くであらう。之等は何れも研究といふ幕に蔽はれて世人には見えないのである。凡ゆる病患は医学の進歩によってのみ解決せらるべきものとの根強い迷信によって徒労に等しき努力を続けつつある-之が医師及び医学者である。そうして医学に於ける誤謬は凡有る面から説いたつもりであるが、尚個々の病患に就て概略説明してみよう。

(天国の福音 昭和二十二年二月五日)