竹内四郎氏外との御対談(二) 医学の根本的革命

小坂氏 この「アメリカを救う」の表紙は大変な表紙ですね。

阿部執事 店頭に置いてあっても、すぐ目につきますからね。

小坂氏 これでは必ず目を惹きます。

明主様 これはあっちの大統領はじめ有識者に全部配るつもりです。

小坂氏 明主様、最近日本には不思議な病気が流行って来ましたが、たとえば風邪でも鼻血が出るようですし、ペニシリンで以前は効いたのが、この頃は効かなくなった、というようで医学では割切れない病気が非常に流行って来て、弱っている様でございますね。

明主様 それについては私は始終言っているのですが、このままではもっと変った病気が出るでしょうね。風邪引で鼻血が出るという訳も、医学ではわからないと言っていますが、これはこちらから言うと、何でもないのです。今の人間は注射や飲み薬をのんで始終頭を使うから、その薬が頭に上ってゆくのです。そこで薬という物は悉く毒物ですから、頭の中が薬で一杯になるのです。それで熱が出たりすると、熱によってこれが溶けますから、その溶けたものが鼻血になって出るのです。医学はこの理を知らないから鼻血を止めようとするが、もし止まったとしてもそれは只延期したに過ぎないので、結局重くなって行きます。そこでそういう医学の根本的な誤を正す為に、私は今「医学革命の書」というのを書いてます。西洋医学を全然なくしてしまわなければならないのです。

小坂氏 結局西洋医学が氾濫したせいなのですね。

明主様 そうです。西洋医学が病気をつくっていると言ってもいいのです。その点結核というのは随分上手につくってますね。

小坂氏 マイシンなどが流行って来て、結核はもう大丈夫などと言っておりましたがね。

明主様 それも結局発病の時期を延ばしただけなのです。だから医学が発達して来て、死ぬ人間が一時延びたというだけなのです。しかし一時的ですから、その先にいったら大変です。又、私は「アメリカを救う」という本を書きましたが、日本人相手に説くよりも、アメリカをわからせた方が効果的と思ったからです。というのは、日本人はアメリカの物というと何でも有難がりますからね。つまり一切の不幸の原因は病気だから、人間から病気を無くすればよい、ということを書いたのです。戦争をする人間にしても、精神的病人なのです。ですから霊肉共に健康になれば、争いや自分の欲のために、人の命を取るということが恐しくなって出来なくなります。普通の人間の感情としたら可哀想でとてもそういう気持は起りません。そういう精神というのは人間でなく獣なのです。ですからそういう思想を起さないという事は、つまり霊肉共に健康にすればいいのです。だから結局世の中を救うというのは、人類から病気を無くするというだけであとは解決するのです。

阿部執事 そういう意味から、報知新聞では現在の紙数を二頁増して家庭欄というものを作って、一番に人間の健康の点を取り上げて、特に“新宗教と健康”という面を強調したいということでございます。

明主様 それは結構ですね。兎に角病気を無くすということは、病気を起さないようにすることですが、新しく病気が起らないようにするというそれだけでいいのです。処でそれを扱っているのが現代医学なのですが、結果から言って若し医学が本当に正しいものなら、年々病人は減っていって、二十年か三十年で病気は無くなってしまっていなければならないはずです。処が事実はそうでないということは、現代医学が本当の医学でないということを証明しているようなものです。

小西氏 スポーツに関する論文を拝見しましたが、その中で黒人が強くなって白人が弱くなったということを仰言っておられますが偉いことを言っておられると思いました。これは運動部長と議論したことがありますが、アメリカあたりでもみんな黒人だから、今に世界のスポーツの記録はみんな黒人に取られてしまうことになりはしないかと。特に拳闘がそうですし、まあマラソンはザトペックが出ましたが、その外は殆ど黒人です。ですからそういうスポーツ論文を載せるといいと思いますね。報知新聞はスポーツは専門紙ですから人がよく見ると思います。

明主様 結構ですね。それで今のお話に宗教を加えるといいでしょう。

小西氏 私はこう思うのです。何も救世教はこうだということでなくても、熱海にはこういう立派なものがある、こういう文化的な事をしている、ということをいえば、これは新しい現代人の宗教だということが大体わかってくると思います。

(昭和二十八年三月十一日)