映画“天国の苑”より

私は救世教教主岡田茂吉であります。本教のモットーとするところは、病気、貧乏、争い、これをなくして、この世に天国を造ることであります。天国とはもちろん真善美完き世界でありまして、真と善は形には表わせないが美だけは形に表わせるというわけで、今度箱根の山の上に地上天国の模型を造ったのであります。

そのうちで美術館でありますが、近ごろだいぶ美術館流行りで方々へできまして、どれも支那、西洋とかあるいは仏教美術というようなもので、肝心な日本で、日本の美を主とした美術館がないのです。それを私は非常に遺憾と思って、日本美術を主とした美術館を造ったのでありまして、箱根の自然の美と人工美とをできるだけタイアップさせたものを造ったのであります。

(昭和二十七年)