日本観音教団講習要項

一、本教団事務取扱要項第十七に基く布教の講演及療法実習は本要項に従う。

二、講習会は其都度講習会責任者及指導教師を定める。但し指導教師は同時に講習会責任者となる事が出来る。講習会責任者は開催後直ちに左記に従い分教会又は教団支部を経て教団総本部に報告せねばならない。
 イ、開催月日及場所
 ロ、講習会責任者及指導教師氏名
 ハ、講習会の概況

三、指導教師の講習順序は左記の通りとする。
 イ、布教講演
 ロ、療法指導及研究

四、布教講演の大要は教団教義を骨子とし左の要点に立脚し指導する事を要する。
 イ、吾等の信仰の対象は観世音で、拠るところの経典は妙法蓮華経普門品第二十五を基準とし、観世音は森羅万象の造り主であり光明そのものであるという信仰に基く。
 ロ、観世音は常に生きて吾等の裡(ウチ)にあり吾等と共に働いて居られる。
 ハ、観世音は此の迷いの世界を又不自然な吾等の姿を憐み、正しい姿にする為に救いの業を始められている。此の観世音の純粋の慈悲の御心が遂に現わされて三大災厄絶滅の力を示されたものである。
 ニ、此の三大災厄が根絶された世界即ち此の三大災厄の根本である病いが無くなった時こそ真の地上天国が開かれるものと信ずる。茲に実際の地上天国が現わされる道が一路開かれ、吾等は光明の下その使徒として選ばれた確信を持つ、之れが即ち観音行の具現である。
 ホ、吾等は勿論未だ其儘では完全な正しい姿の人ではない。然し幸いに念彼観音力は吾等をして観音行を行う霊力の良導体に導き観音妙智力の具現者となる。
 ヘ、吾等の療法は観世音の示された智慧であり観世音の与えられた正しい覚りの道である事を信ずる。故に真に簡単で要を得て常識では想像も及ばぬ効果が現わされるのも当然で、観音力の及ぶところ何等不思議はない。
 ト、吾等は唯黙々として此の観音の威神力と慈悲心を表わす使命遂行に従う事で足りるとのことを 判っきりと銘記する。
 チ、吾等は常に観世音の示された教示を信じ日々念彼観音力の発揚の為自己勤行(ゴンギョウ)に努める。

五、療法は前記教義の要点に示された具体的なもので誰でも出来る。何時でも役に立つ特性を示すもので、所謂病の診断をするのでも無く、医薬使用の指導をするものでもない。又治病の程度の判断を下すものでもない。即ち病厄に対する之れが根絶の道程であり此の道程の終極が此の厄から逃れ得るとの固い信仰だけに生きて施すものである。

然して吾等の療法を行う終極の結果は即ち病厄の根治は観世音の手の裡にあり観世音の御心の裡にあるものと固く信じ療法の指導も研究の範囲も此の要点から脱却せず、ただ観世音の忠実な僕(シモベ)であるに過ぎぬと言うことを留意し従事する。

六、講習会に渡される「光」は吾等の信仰対象である観世音、即ち光明如来の徴しであり、講習を終了した証として之を体持するもので、丁度キリスト教に於ける十字架と同様のものである。

七、講習会の会期は前記布教と療法の真意を指導し得る事を目標とし、其都度指導師に依って適宜定める。

八、講習会を希望する場合で適当な指導教師の無い時は総て総本部にその派遣方を依頼するものとする。

附 本要項は昭和廿二年七月一日より実施に入る。

(昭和二十二年七月一日)