此症状は、近来非常に多く、脳溢血の前提としてありますが、医学では機械的に測定します。それによれば、年齢に九十を加へた数が健康の標準とされて居ります。即ち、仮りに五十歳とすれば、九十を加へた百四十、それが標準であって、それ以上はそれだけ不健康である訳であります。然し、高血圧者と雖も必ず脳溢血が起るとは限らないので、先づ脳溢血の懸念があると思へばいいのであります。
原因は、血液の汚濁でありますから、血を濁さない様にすることであります。したがって、食物は肉食を避けて野菜を多食する事、出来るだけ運動をすること等であります。本療法によれば必ず全治するのでありますが、相当の時日を要します。先づ一ケ月乃至三ケ月位と見れば良く、脳溢血の発病は絶対防止し得られるのでありますから、本療法の価値の絶大さが知られるのであります。
高血圧(岡田先生療病術講義録 昭和十一年七月)