小児麻痺も、近頃は仲々増えたやうで、当局が最近法定伝染病の中へ入れた位である。然し此病気は日本よりアメリカの方が多いやうで、之も人の知る処である。此病原は霊的と体的とあるが、霊的の方は滅多になく、世間一般小児麻痺といふのは体的の方で、言はば擬似であり、必ず治るものである。
症状は足が満足に歩けないとか、片手が利かないとか、腰が動かない等であるが、就中足の悪いのが一番多いやうである。此原因は遺伝薬毒と、生後入れた薬毒の為で、どちらにしろ其毒が、足の一部に凝結するので、足を突いたり、動かしたりすると痛むのである。特に足の裏が多いが、此診断は訳はない。足や手全体を順々に押してみれば、必ず痛い所があるから、其処を浄霊すればズンズン治ってゆく。処が医療では一粍の毒も除る事が出来ないから、苦し紛れに色々な手当をするが、先づ気休め程度で、本当に治るものは一人もないといふ訳で、世界的恐るべきものとされてゐるのである。
霊的の方は真症で、仲々深い意味がある。そうして大体、先天的と後天的に分ける事が出来る。先天的としては下半身又は全身又は腕足等が未発育麻痺等に依って使用不能な症状、及び柔軟で骨の無い如き症状、低能的で視力が弱く言語明晰を欠き、涎を流し身体の一部又は全部が屈曲麻痺して畸型的等である。後天的としては、普通児と何等異状がなく育成されつゝあったものが急激又は漸次的に前述の如き症状になるのである。したがって、学校の成績等良好であったものが急に低下し始め、痴呆症の如き状態に変化する等、実に見るも悲惨である。
之等の原因としては、全部霊的でありまして、それは次の如き理由からである。脳溢血の如き病気で急死する場合、その霊は死の準備がない為、死後霊界の存在を知らず、故に霊界人として霊界に安住し難く、飽迄其想念が現界にあるので、自己の肉体は失はれてゐてもそれに気が付かず、どこ迄も人間に憑依して現界生活に接近しやうとするのである。それは殆んど霊としては無意識的である。先天性の方は、それが受胎中に憑依するので、後天性の方は生後の肉体に憑依するだけの差である。故に其状態は脳溢血症状と中風症状が最も多いので、其他としては蛇霊の憑依である。四肢が柔軟であるのは総て蛇霊である。そういふ患者が、腰から足など紆(ウネ)らせる状態は実に能く蛇を連想されるのである。
本療法によるも、此病気は何れも相当日数を要するので、軽症で六ケ月位、重症は一、二年位かゝるのである。
小児麻痺(岡田先生療病術講義録 昭和十一年七月)
小児病(文明の創造 昭和二十七年)