寸鉄活人 (栄光百七十号)

泥水の中に一片の明礬(ミョウバン)を入れた如し、醜悪の世の中に美術館を建てたのは、エヘン如何です

今度当局は国定忠治の立籠った赤城の山は各地に大雨の降る前、必ず雨が降るというので、今度百数十万円の予算で測候所を設けるそうだ

此分じゃ今に蟻が穴へ入るから、蛙の鳴き声が変だから、褌がイヤに湿ッポイから、屹度雨の前兆だわいと言う事になるだろう

成程科学は大いに進歩したもんじゃーないんだねー

(栄百七十号 昭和二十七年八月二十日)