寸鉄活人 (栄光百六十二号)

喧嘩の好きな大学生を、今度愈々警察予備隊に入れるそうだから之が出来たら安心なもんだよ

何かってそれは若し暴行者があっても、旧の友達同志だから、直きに片がつくからさ

ミロクの世になるのもいいが、僕は少し心配な事があるんだよ

というとヘェー、ミロクの世になっても、まだ心配事があるんですかと訊くから、ウンあるから不思議だよ

つまり寸鉄の材料がなくなるからさ

今はスト流行り、そこをつけ込んで、赤がスットコ冠りで、スットン狂共を躍らして親玉が危くなるとスーッとばかり、ストトントンと煙になって、何処かへスット消えて了うので、丸で屁みたいな野郎だよ

(栄百六十二号 昭和二十七年六月二十五日)