寸鉄活人 (栄光百六十一号)

結核死亡率半減で大祝ひをしたが、肝腎な患者の方は一向減らないで増へるばかりとの話、だから日本は今に死なない結核患者がウヨウヨ、町を見るといい若者が目ばかり光らして、フラリフラリと来ちゃ、生ける屍じゃない生ける幽霊で一杯さ、何と愉快じゃないかじゃない、幽界だよ、といっても呶やされる心配はないよ

何故かって、知れた事よ、幽霊に力があるけー

今はみんな赤を怖がっているが、之を無くすのは訳はないよ

いいか日本中に赤痢を流行らすんだ。そうすれば尻から赤が糞になって出て了うんだから、赤い糞ッ垂れ野郎はなくなっちゃうんで、サゾ清々するし、青い面の奴もなくなるだろう

(栄百六十一号 昭和二十七年六月十八日)