寸鉄活人 (栄光百三十三号)

信仰の妙諦は、一切お任せする事だというと、それは有難い、俺はトーからやっているよ、女房と伜に万事任せきりなんだから、安心なもんだよと言いたいが、実を言うと嬶には怒鳴られ、伜には馬鹿にされ、毎日泣きの涙でヤット生きているんだとぬかすので、此馬鹿野郎、的が外れているんだ、いいか神さんに御任せするんだというと、勿論俺も家の内儀(カミ)さんを的にしているんだと言やがるから此野郎貴様のは山の神さんで、此方のは天の神さんだと言ったら、頭掻き掻き、ウヘェー

米の統制出したり引込めたり延ばしたり縮めたりで、政府はヌラリクラリ、丁度野郎の○○のようなものだと国民が言ってやったら、サゾ驚いて縮み上るだろう

豊葦原瑞穂の国は、段々米が穫れなくなって了った

いづれ虫喰原枯穂の国と名前を変えるとか日本も哀れな国になったものだよ

食う米が足りないので、方々の国からお情を頂戴して、ヤット生きているんだからさ、誰だ、乞食みたいな国になったという奴は

(栄光百三十三号 昭和二十六年十二月五日)