寸鉄活人 (栄光百二十二号)

東京日日の蛙の声で、大宅壮一というサタンの弟子が、拙者に向って毒々しい悪口をかいたが、相手になるにも始末が悪いよ、何しろ蛙の面へ水なんだから、流石の拙者もタジタジだね、だから、マァー踏み潰してギャッと泣かす位だろう

暫く喧嘩の相手がないので、腕が唸っていた処、今度東京日日が喧嘩を吹っかけて来たので、ヨシ相手にならずばなるめえー、何しろ先祖の幡随院長兵衛に相済むめえから、相手になってやらねー事もねーが、ヒョロヒョロ新聞と来ちゃ、チットばかり相手にとって不足だからチョッピリばかりやっつけてやるよ、昔から火事と喧嘩と啖呵は、江戸ッ子の大好物なんでぇー、いいか日々のフイゴの向う面、徳利野郎奴、筋金入りのオイラの腕で、目に物を見せてやろうか、ヘン ベランメー

新しき暴力の本を、小坂君が出版する事となった、此暴力の武器とは、肩書と、法律と、舌と、巨声(デカゴエ)と、目のクリ玉と、根気とで、汗水垂らして罪を作るんだから、御苦労様でも何でもないが、コチラは無手勝流なんだよ、何故かって知れた事さ、今に神様の暴力が出るんだから大変だよ、いいか神様の武器とは地獄行のバス、閻魔の庁の留置所、冥官の刑務所、赤鬼、青鬼の金鉄棒、無期徒刑で根底の国行、それで終り(自観作天国と地獄の脚本中より)

糸ヘン景気転落で、業者口を揃えて曰く、余程前からイトも変だと思っていたんだがナーとは、今更洒落でもあるまい

今怖いものは赤痢、日本脳炎、転落バス、火吹き電車、結核菌、税金、もっと怖いものは○○と○○、諸君之は内緒内緒

(栄光百二十二号 昭和二十六年九月十九日)